舞台・ミュージカル

【舞台鑑賞】『RENT(2010)』@日比谷・シアタークリエ

会社帰りに日比谷へ。

ミュージカル『RENT』を鑑賞しました。

今晩はe+の企画でお弁当、帝国ホテルのケーキ券、

更にお土産(ハチミツとマーマレード)付のチケットでした。

さて、2年前の初演では、

主人公の1人・マークを森山未來君が演じましたが、

今回はミュージカル初挑戦の福士誠治君。

へぇ、福士君って、こういう声で歌うんだぁ。

地の芝居でも、声を張っているから、普段より高めでした。

マークは映画監督の卵でいつもカメラを抱えています。

仲間の中心的人物なのだけど、どこか傍観者的で、

孤独な心を抱えている。

観客の目線と近いということもあるけど、

結構シンクロして、途中で悩みを独白するシーンでは、

泣けちゃいました。

Ryoheiの声は、いつ聴いても好きなんだなぁ。

初っ端からゾクゾクってしました。

特に、学生の頃に良く聴いていた米倉さんと歌うところとか、

もう最高!

しびれました!

Ryohei演じるロジャーと恋に落ちるミミ。

今晩はソニンが演じていました。

いつもはサバサバした女のイメージの彼女ですが、

彼女独特のネットリとした節回しと、

韓国女性にしては、ボォッ、キュッ、ボンッなボディラインが、

妙にエロかったですね~。

つんく♂プロデュース時代に、

出す曲毎に異なるカラーの歌をこなしてただけに、

表情をつけて歌うのは上手いし、

ウィスパー・ボイスっぽい歌もあって、新鮮でした。

今回、再演を観ようと思ったのは、

彼女が出演したイベントで、舞台の宣伝をしていたからでした。

もう一人パフォーマーのモーリンを演じたのはキタキマユ。

最初、彼女だと気付かなくて・・・、

とにかくモグラのパフォーマンスは寒かった!

でも、その後、SHIHOとのバトルの部分とか、

ヒット曲もある歌手である彼女のパフォーマンスが楽しめました。

SHIHOも個性的な役だけど、歌はとにかく上手い!

今回はストーリーは知っていたということもあって、

すんなりその世界に入っていくことが出来ました。

ニューヨークの暗い部分にスポットを当てていて、

主人公達はHIV感染者、ドラッグ中毒、同性愛者と

極端な設定だし、

90年代と現代では環境は変わっていて、

絶対的な絶望からは脱しているのかもしれない。

それでも、若者の孤独感だったり、

自分に自信を持てない弱さだったり、

共感を持って観られるはず。

そして、明日への希望を抱けるラストシーン・・・。

うん、元気、もらいました!!

初演時に鑑賞した時の記事はこちら

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【舞台鑑賞】ヨーロッパ企画『曲がれ!スプーン』@新宿・紀伊國屋ホール

舞台版『曲がれ!スプーン』を観てきました。

原題は『冬のユリゲラー』なのですが、映画版に合わせてタイトルも、設定も若干修正ということで。

紀伊國屋ホールに入るの初めてなんです。

そして、ヨーロッパ企画の舞台を生で観るのも初めて。

映画では本広ワールドの住人として、映画版『サマータイムマシンブルース』と同じ役で登場した永野君、本多君も、オリジナルキャストとして登場。

本多君のテレポーテーション・小山は、映画とは年齢設定が違うのだけど、どっちも有りですね。

彼独特の話し方が、19歳の調理専門学生のトロさにマッチしていました。

細男の永野君は、本広ワールドではお調子者で引っ掻き回す役どころでしたが、ここではツッコミキャラなのにいじられキャラという役回りで面白かったです。

透視の筧とサイコキネシスの河岡は、映画と同じ中川、諏訪の両氏。

河岡は映画でハマッていたので、ある意味で感動しました。

映画では志賀廣太郎さんが演じたマスターは、エスパーと同じ世代の角田さん。

逃げるインド人・・・伏線としては弱いかな、と思いました。

さて、映画と一番異なるのは長澤まさみ演じたADのヨネの扱い。

舞台では上演1時間過ぎまで出てきません。

しかし、山脇唯さんの演じるヨネですが、バックボーンみたいなのは全く異なる設定ですが、映画のヨネに被ります。

長澤まさみがコピーしたのか、長澤まさみをコピーしたのか。

パンフレットの中で長澤まさみが「役作りで、普段一緒に仕事しているADさんって何を考えているか分からないから、舞台版のヨネを参考にしました。」と話していて、謎は解決。

長澤まさみって、決して大根役者ではないのですね・・・。

なかなか面白かったです。

ヨーロッパ企画の次回公演は、夏に下北沢・本多劇場で新作だそうである。

メールサービス、登録しちゃいました。

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【舞台鑑賞】『鴨川ホルモー』@吉祥寺・吉祥寺シアター

何年か振りで吉祥寺に行きました。

現在、公開中の映画『鴨川ホルモー』の舞台版がやっているということで、観てきました。

CGを多様した世界をどうやって表現するのかなぁ、という興味が大きかったですね。

ストーリーは基本的に映画と一緒。

京大に入学した安部と高村が、葵祭の日に「京大青龍会」というサークルに勧誘され、新歓コンパで早良さんに一目惚れした安部は、何のサークルか分からないまま、入会するのだが・・・。

映画では、敵役・芦屋を演じた石田卓也君が、主人公の安部役で舞台初挑戦。

彼のほわんとした感じは、安部のキャラクターの方が合っているのではないでしょうか?

同じく、映画で早良さんを演じた芦名星は同じ役で登場。

しかし、なぜか福島弁全開!で、ただの計算高い性格ブスとは一味違う感じのキャラクターになっていました。

それから、主要メンバー以外のキャラクターにスポットを当てているのも特徴。

舞台の半分以上が「べろべろばぁ」で展開するのですが、ここでアルバイトする亨と光が「青春の虚無とは」なんて哲学チックなやり取りをしていて、学生時代の飲み屋を思い出したし、何か演劇っぽいよなぁ、と思いました。

双子の三好姉妹のハイテンションでパフィーしているのも楽しい。

演じていた片方は、女優の高畑淳子さんの娘さんだったんですね。

『さんま御殿』とかで見たことある顔でした。

彼女たちの「本当の恋って四六時中好きで一杯だけど、時々好きだけど、時々嫌い」というセリフも、青春っぽくて好きだなぁ。

それから、「リーダー変わるって、安部さんが麻生さんになったり、小沢さんが鳩山さんになる位興味ない」とか、「○○○も脱いじゃった」とか、舞台ならではの旬なセリフもふんだんにありましたね。

映画の荒川良々も最高だったけど、舞台のスガ氏も最高!

それから、EXILEの15番目のメンバーを本気で目指している店長も・・・。

主要キャラクターの4人が霞むほどインパクトありました。

オニ語は、演じたお二人がアクションをつけたそうです。

「パリ(早く)」が、人気高いみたい。

もちろん、「レナウン娘」ありますよ。

パンツ一丁で舞台を走り回り、最後には・・・。

興味のある方はシアターに足を運んでみて下さい。

当日券も若干はあるみたいですよ。

奇想天外+ほのぼの感な青春群像になっていました。

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【舞台鑑賞】『赤い城 黒い砂』@日比谷・日生劇場

Akakuro

2月の『孫悟空』が公演中止になったので、久し振りの日生劇場です。

幻のシェークスピアと言われている『二人の貴公子』を大胆に脚色した作品。

「モダンスイマーズ」の蓬莱竜太氏の脚本は、舞台をギリシアから架空のアジアの国に置き換えて、不思議な世界を作り出していました。

赤い国と黒い国。二つの国は絶えず戦争を繰り返していた。
黒い国には「黒い国の獅子」という異名を持つ二人の英雄がいた。
冷静沈着な男ジンクと自信家のカタリ。
二人は無二の親友として育ち、戦場では目を見張る活躍ぶりを見せていた。
一方、赤い国の王女ナジャは、その勇猛さから「赤い国の魔女」と呼ばれていた。
戦場で出逢った3人は、荒れ狂う運命に巻き込まれていく。

物語としては、非常にオーソドックス。

勇者2人と王女、それに牢番の娘ココの4人が奏でる悲しい愛の物語。

ジンクに片岡愛之助、カタリに中村獅童と、歌舞伎界のスターを起用しているのですが、西洋の騎士道を日本の武士道に置き換えて、という点では成功していると思いました。

特に、喜怒哀楽を心のままに表現するカタリは、獅童君が時にユーモラスに、時にシリアスに、変幻自在な演技を魅せてくれました。

一方、ジンクは、自分の欲望のためには、どんな手段をも厭わないタイプの男。

祖国や親友を裏切り、赤い国の近衛兵として順調に出世し、ナジャの夫の座もあと一歩というところ。

写真集とかを出して、セクシー路線で売っている(?)愛之助の役としては、チョット性格悪めな役ですが、見方によっちゃあ、可愛そうな男である。

なぜなら、王女のナジャはなびかない。

生まれたときから腹違いの姉や、最愛の女王を亡くして、瓜二つの娘を遠ざける国王の中で育ち、愛することを知らないナジャ。

戦いの中でしか自分を見出せず、戦いを通してカタリと心を通じ合わせる。

激しい殺陣やアジアンチックな衣装は、黒木メイサには適役と言えるが、適するが故にもう一つ欲しかったような気もしました。

チョット似たような役が、多すぎるような気もします。

舞台初挑戦の『赤い糸』南沢奈央は、カタリを愛し、脱獄を手助けしてしまう、牢番の娘の役。

後半は想いが届かず、発狂してしまうという難役を、割と素直に演じていました。

個人的にはナジャの異母姉を演じた馬渕英俚可にハマってしまいました。

側室の子で王位継承権はなく、お気に入りの妹の親衛隊長には見向きもされない、かわいそ加減が良かった。

シェークスピア作ながら、非常に分かりやすく、現代社会に置き換えることも出来そうな位、世界観が完成していると思いました。

登場人物にとって、「戦うことは即ち愛することなのだ」と理解できれば、どなたにもオススメできると思います。

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【舞台鑑賞】『ALTAR BOYZ』@新宿FACE

先日はプロレスを観戦した会場で、ミュージカル鑑賞です。

キリスト系ボーイズ・バンドの日本公演という設定なので、元ライブ会場という場所はマッチしていました。

2009年世界ツアー、日本でのファイナル公演。
観客の「迷える魂」を救うため、アルターボーイズの5人のメンバーがステージ上に勢揃いした。
人種差別、移民差別、ゲイ差別。
現代社会が難問を抱える5人の使途たちは、ファンキーな音楽とコミカルなおしゃべりで、コンサート終了までに観客たち全員の魂を救うことができるのか?

『RENT』を観に行った時にフライヤーをもらい、まず元ライブハウスという点に興味を持ちました。

そして、パニクルの豪君。

『ハイスクール・ミュージカル』の時は、女王様気取りの姉の影に隠れた優等生の双子の弟という役で、彼のダンスを堪能できなかったので、見たい!と思いました。

ダンス、切れています。

特に、ちゃんと彼の見せ場を用意してあるので、倒立やバック転、バック宙、ヘッドスピンなんてのもあり、大満足でした。

田中ロウマは、アメリカ出身ということあって、本場の賛美歌とか、R&Bという感じがする。

彼の声の幅広さを感じました。

そして、バレエやミュージカル畑の人たちの歌と踊りと演技。

ロック色の強いナンバーだと厳しい面もあったけど、バラード系のハーモニーは素晴らしかったですね。

物語のベースはキリスト教。

更に言うと、カソリックとプロテスタント、そしてユダヤ人というところにまで及んでいて、日本人には馴染みが薄く、本当の意味での理解が難しいかもしれない。

例えば、リーダーのマシューを愛するマークが、少年時代にいじめられた過去を歌うナンバーも、「私はカソリックで、周りはプロテスタントだらけ」という詞になっていました。

そもそも同性愛を認めていないのって、どっちでしたっけ?

しかし、メキシコの教会で育てられた孤児のファン(豪君)が大阪弁(一応スペイン訛りの英語ってことらしい)で、生き別れの両親を探しているとか、大手レコード会社にソロでデビューを持ちかけられるメンバーがいたり、その辺の若者の葛藤は万国共通でした。

面白いなと思ったのは、開演までの時間を利用して、アンケートを実施し、舞台の上で、「私の懺悔したいこと」を発表するという企画。

これ、どこまで本当なのか分からないのだけど、笑えました。

観客を舞台に上げたり、「そこのお姉さんはどうだった?」と話しかけたり、かなりフリーな感じな部分も多かったのが特徴的です。

ミュージカルが1時間半、演奏された歌を通しで聴かせるライブが30分という構成になっていました。

なかなか面白かったし、ステージが手を伸ばせば届きそうな距離なのが新鮮でしたね。

東京は22日(日)までですので、興味のある人にはオススメできる作品です。

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【舞台鑑賞】『RENT』@日比谷・シアタークリエ

日比谷の東宝会館の跡地に出来た新しい劇場。

シアタークリエにロック・ミュージカル『RENT』を観に行きました。

NYイーストヴィレッジの古いアパートに暮らす映像作家志望のマークと元ロックバンドのボーカリストのロジャー。夢を追いかける彼らにはお金はなく、家賃は滞納中。
今夜はクリスマスイヴ。ロジャーの恋人はドラッグ中毒の上に、「エイズに感染した」と告げて自殺。それ以来、部屋に引きこもったまま。同じアパートに住むダンサーのミミと知り合い、心惹かれるが、HIV感染者という負い目から素直になれない。
一方、マークはストリート・パフォーマーのモーリンに振られたばかり。しかも、彼女の新しい恋人は、ハーバード大出身の女性弁護士ジョアンヌだった。
その頃、マークの親友のコリンズは、路上で強盗に襲われる。たまたま通りかかったストリート・ドラマーのエンジェルが彼を助け、二人は惹かれ合う。

No day but today
未来もない過去もない。
今日という日、精一杯愛し、生きるだけ。

ロック・ミュージカルとあって、キャストに惹かれました。

Wキャストの部分は、Ryoheiとロウマにしたのですが、他の組み合わせでも観てみたくなりますね。

音楽的には、ロック、R&Bやゴスペル、エレクトロリックサウンドまで多岐に渡り、ロックシンガー役のRyoheiは色々なタイプの歌を歌ってくれます。

地のセリフの時と歌、それも激しいロックとバラードでは、声が違いを楽しめます。

R&B調の感じが、いつものRyouheiに近くて、一番聴き心地が良かったかな。

歌で感情をグルグルと表現してくれています。

コリンズ役の米倉利紀の声って好きなんですよね。

そして、やっぱり歌が上手い。

田中ロウマは、なんとHIVに感染したドラァグ・クィーンの役。

全てのキャストに愛と勇気を分け与えてあげます。

ロウマはサンフランシスコ出身、Wキャストの辛源はロンドン生まれの在日韓国人という国際色豊かな二人が演じていますが、異国の地でマイノリティという境遇にいたからこそ知りえた感情というのが、エンジェル役に合っているのかなと思いました。

でも、筋肉質の脚でミニスカートは、ちとキツイかなぁ・・・。

そんな、歌手の中で主人公のマークを演じたのは森山未來。

ダンスとか、ジャンプの時の切れの良さとか、見せ場もあるのだけど、物語が始まる前に失恋しているし、第1幕では目立たなかった。

けど、舞台の隅で、常にカメラを抱えて、立っている。

第2幕。それぞれが愛する人の元へ行き、夢が現実になろうとしている。

だけど、どこかですれ違っていく友情や愛情。

このままで良いのかって、問いかけている。

このマークという主人公は、彼自身には大きなドラマはないのかもしれないけど、このまま傍観者で良いのだろうかと自問自答する。

ドラマがないからこそ、演技力が要求され、プロの俳優の彼がキャスティングされたのかな、と思いました。

歌も全然、負けてないですけどね。

何かね、音楽の力ってスゴイなぁと思いました。

楽しかったり、悲しかったり。

隣りの席に座っていた女の子。悲しいシーンで泣いてましたもん。

僕もラスト感動しました。

そして、オール・スタンディングで、拍手が響く。

描かれる現実はリアルだし、厳しいものばかり。

それでも、生きる勇気みたいなものをもらえたような気がしました。

是非、オススメです。

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【舞台鑑賞】SISTERS@渋谷PARCO劇場

Sisters_3歌手活動10周年イベントも一段落し、ミセスとなられた松たか子が、長塚圭史作・演出の舞台に出演するということで、渋谷パルコ劇場へ足を運んだ。

共演に鈴木杏、田中哲司と、人気・実力とも申し分ない役者に囲まれて、割と広い層の観客となっていました。

連休中の鑑賞でしたが、チケットは完売でした。

ヨーロッパへの新婚旅行から帰国した新妻の馨は、東京のビストロでシェフをしている夫の信助と共に、夫の従兄弟の優治が経営するホテルにやって来る。少しうらさびしいこのホテルは、数ヶ月前に女主人でありレストランを切り盛りしていた操子が亡くなった後、客は遠のき、優治の料理の評判もいまひとつなため、信助は再建のために協力を依頼されたのだった。
帰国以来、精神的に塞ぎ込んでいた馨は、ホテルにひっそりと暮らす操子の兄で児童文学小説家の神城と、父親にただならぬ愛情を抱く娘・美鳥と出会い、馨は美鳥に気持ちを通い合わせるようになる。やがて、馨の閉ざされていた過去の記憶が明らかになっていく。

事前にストーリーとか全く知らずに観たのですが、ヘビー、しかも尋常でない位に重く、苦しい感情の流れがありました。

根底には、幼児虐待や性的暴力という現実が流れていて、それでも「それを愛だ」と主張する人がいる。

そこには愛があるのだから、他人は介入してくるな、と。

一方は、何も意味の分からない子供に「それが愛だ」と摺り込ませ、懐柔し、征服することが愛のはずがない、と反論する。

いつか新しい玩具を見つければ、成長し、使い古した玩具は捨てる運命にあるのだ、と。

前半、塞ぎ込んだ新妻を演じる松たか子に、魅力は感じられなかった。

しかし、美鳥と出会い、そこに何かを感じ、救わなくちゃと使命感に燃え、戦いを挑む。

「この人、狂ってる」と言われるまで、狂気に満ちた表情で、叫び、喚く。

これまで松たか子という女優が演じてきた、ヒロインとは似ても似つかない女性像。

鬼気迫る演技には、役者魂を感じました。凄すぎます。

超早口で饒舌な小説家を演じた吉田鋼太郎さんの父親の威厳と脆さを紙一重で演じる演技は素晴らしかった。

そして、都会への好奇心旺盛に馨に近付いたと思いきや、自分を救ってくれる誰かを求めていた美鳥という微妙なもう一人の少女を演じた、鈴木杏も大したもんです。

テレビや映画でラブストーリーチックな作品なんかをやるより、こういうのの方が合っているかもしれませんね。

そして、常にニュートラルな状態にいた田中哲司は、「うちに帰ろう」ってセリフが妙に印象に残っている。

同じ間取りで、動かしたはずのベットの位置まで一緒の二部屋を、交互に、時には同時に進行させる演出は面白かった。

操子さんの死の原因を匂わせつつ、明らかにしていないのが、どうなってるの?って気になった部分はありますが、馨がどうしてあそこまで救出に拘ったのか、驚愕というか、そっちかよっ、と三村突っ込みしたくなるのは、僕的には有りでした。

でも、正直、まだ整理しきれていない、というのが本音かな。

それだけヘビーで、だけど素敵な舞台なのでした。

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【舞台鑑賞】マッスルミュージカル冬公演【ザ・ベスト】@渋谷マッスルシアター

マッスルミュージカルの新作を観てきました。

前回の公演が池谷直樹君など主要メンバーがラスベガス公演で留守だったので、タイトル通りにベストな布陣での本公演は外せないと思い、滑り込みでチケットをゲットしました。

そうしたら、春休みにもほぼ同じメンツであるみたいですね。

いやぁ、それにしても相変わらず元気になれる楽しいミュージカルでした。

楽しみにしていたモンスターBOXは、まず、女子は松島由希さんが世界記録タイの18段を軽々とクリア!
続いて、男子は今回も片山敬太郎君でしたが、こちらも20段をクリア。
23段を飛ぶには、劇場の舞台では少し助走距離が短いのかなぁ?

今回、目を引いたのは、いわゆる肉体美を魅せるマッスル系だけではなくて、ジャグリングやヨーヨーみたいな大道芸や、ダブルダッチ、ブレイクダンスなどのストリート系パフォーマンスが増えていて、それから正月だし、中国出身者も多いからか、雑技団的なアクションの華やかさが感じられました。

また、格好良いだけでなく、フラフープの山田祐也君のまるでピエロのようなコミカルな演技(常に笑顔!)や、『ウォーターボーイズ』に出ていたと言うオデブな男子のシンクロなんかも面白かったです。

渋谷マッスルシアターは、仮設のプレハブ建築みたいな構造なので、ラスベガス公演のポスターになっていた和太鼓では、スピーカーから発される大音量が耳だけではなく、建物全体をビリビリと震わせて、大迫力でした。
これはアイデア勝ちで見事でした。

スケールアップした鳩時計や、観客も参加のマッスル体操など、お約束も忘れていません。

夏公演の時にも書きましたが、モトクロスやラートの選手は、普段はダンスの経験なんかないのでしょうが、きちんと踊っているので感心しました。
次の演目の準備で抜けるキャストもいるから、バランスを考えてチーム編成をしなければならないし、演出は大変でしょうね。

それからエンディングなのですが、僕の一つ前の席に小さなお子様がいまして、池谷君がその子をあやすように近付いてきたんですよ。

センターポジションでずっと出ずっぱりなはずなのに、汗をそれほどかいていないくて、うっすらテカっている程度なのに驚きました。

舞台の上では、汗を飛び散らせて、踊っている人もいると言うのに・・・。

プロの舞台俳優は汗をかかないって言うけどなぁ・・・。

何か、チャージされた気分です。
また、元気が欲しくなったら、観たいと思います。

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【舞台鑑賞】ラ・マンチャの男

Lamancha映画俳優チョ・スンウのもう一つのライフ・ワークとも言える、ミュージカルが、再び来日しました。

今回は、何と『ラ・マンチャの男』!

日本では松本幸四郎さんのイメージが強くく、長女・紀保、次女・たか子との共演でも話題になるミュージカル。

当然、幸四郎版は観ていますので、ストーリーは理解している分、言葉の分からないところは置いておいて、歌とか、動きを追って観ることが出来ました。

言葉については、電光掲示板で、日本語字幕を同時に流しているので、大丈夫。
でも、かなり省略されています。

どうしてもスンウに注目が行ってしまいがちですが、他の俳優も素晴らしいですよ。

例えば、場末の宿屋の最下層の身分ながら、ドン・キホーテの幻想の中の理想のレディという情熱的な女・アンドンサを演じていた、キム・ソニョンの歌唱力は、何となく本田美奈子.を思い出しちゃいましたが、素晴らしかった。

ただでさえ韓国美人顔だし、『ジキル&ハイド』に続いてのコンビということで、スンウとのコンビネーションもバッチリでした。

それから、ドン・キホーテの親友であり、忠実な従僕・サンチョを演じたイ・フンジンが良かった。
とにかく、まん丸な身体を一杯に使ったパフォーマンス。
幸四郎版でも、二人の掛け合いのところはコミカルではあるのですが、場内大爆笑になってました。
(でも、アドリブで日本語を織り交ぜて笑いを取ったのは、スンウでした!)

日本人で、体型で笑いも取れて、演技もしっかり出来る人、コメディアンで1人だけ浮かんだのですが、今は理由があってチョット出られない人なんです・・・。

で、チョ・スンウなのですが、やっぱりスゴイですよね。

映画では繊細な芝居で感動を引き起こすタイプの人ですが、このミュージカルでは、地の部分ではそういう部分も残しつつ、歌のパートでは太くて、響く、素晴らしい声を聴かせてくれる。
何か、不思議でした。

幸四郎さんも若い頃から演じ続けていますが、若い俳優が演じることで、原作者のセルバンデスと、劇中劇の老いた騎士見習いのドン・キホーテにメリハリが効いて、観やすかったという印象があります。
それも、演技力のしっかりした俳優だからこそ演じられるというものなのでしょうが・・・。

そう言えば、1時間半+1時間の2部構成になっていましたが、幸四郎版は一気に演じていたような記憶があるのですよね?
1部の最後の歌から2部が始まったので、あれっ?と思いました。

韓国からのお客さんも多かったみたいで、カーテンコールが凄かった!

1階席はほぼ総立ちのスタンディング・オベーションだし、「キャー」とか「ヒュー」っていう奇声も、「ここは韓国の劇場か」って位、響いていました。

まだ、日本に来ていない映画作品も早く観たいと思うのですが、またいつかミュージカルで会いたいですね。

チケット会社によって売れ行きにムラがあったのか、キツキツなブロックがあると思えば、1列誰もいない列とかもあって、不思議でした。

楽日以外は、まだ余裕あるみたいですよ。

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【舞台鑑賞】『ロマンス』@世田谷パブリックセンター

世田谷パブリックセンターって良く聞くけど、行ったことがなくて、何処だろうと思ったら、三茶の駅ビルの中にありました。

名前からして、世田谷区の公共施設なんですよね。
うらやましいですね。
グローブ座を小さくした感じでした。

さてさて、井上ひさし氏作の『ロマンス』を観てきたのですが、キャストが大竹しのぶ、松たか子、段田安則、生瀬勝久、井上芳雄、木場勝己の実力と人気のある6人ということしか予備知識はありません。

で、パンフレットを買って、席で読んで、ロシアの作家で医師でもあったチェーホフの一生を描いたヴォードビル(歌や踊りを交えたコメディ)ということを知りました。

そして、少年期をヨッシーが、青年期を生瀬さん、壮年期を段田さん、晩年を木場さんが演じ分け、大竹さんが女優で妻のオリガ、松さんが看護士として、作家の秘書としてチェーホフを支えた妹のマリアを、そして、その他の登場人物も全て6人で賄うという贅沢な舞台なのでした。

まず、大竹しのぶさんの舞台は一度観てみたいと思っていました。

やっぱりこの人はスゴイ!

第1幕では警察官や、リウマチ患者の老婆、自殺した下級役人の未亡人と、金の亡者達を非常にコミカルに演じていて、笑かしてくれます。
そして、第2幕から登場するオリガですが、女優の役なので舞台の上で劇中劇の役になり切るシーンがあります。

パチンッ!

とスイッチの入る音が聞こえたかと思うような、変わりよう・・・。怖い・・・。

晩年では、ものすごい剣幕でケンカしたかと思えば、仲直りしてケラケラ笑っていて、オンナだったり、少女だったり、表情がコロコロ変わります。

松さんは、最初に警察官で出てきましたが、その後はマリアをいう女性の生涯を演じていきます。

この人も、映画やテレビの軽い感じの役も良いけど、舞台女優なんだなぁ、と改めて思いました。

資産家の息子に求婚されて心ときめいていたのに、でも兄のために生きると決意してキリッとした顔に変わる。
自殺する患者が遺書の送り先に選ぶ心優しい看護士で、学校の地理歴史の教師で、兄のマネージャーとして渉外担当もするキャリア・ウーマン。
親友が兄と結婚して、敵対心と言うか嫉妬した時の表情はかわいいし、それでも家族をまとめようと健気だし。

最後にチェーホフに、遺産や著作権料で、故郷やモスクワ、サハリンの図書館を本で一杯にするように託される列車のシーンは、感動してしまいました。

そして、井上芳雄君、ヨッシーですが、松さんと共演した『モーツァルト!』、『ミス・サイゴン』は、違う組み合わせでしか観られなかったので、このコンビの舞台を観るのは本当に念願だったのでした。

ミュージカルじゃない舞台で、ヨッシーがどこまで演じられるだろうか、と注目していたのですが、チェーホフ少年、マリアに求婚する資産家の息子、ド近眼の研修医、舞台演出家など、時にマジメに、時にコミカルに、なかなか好演していて、楽しめました。

歌は上手いのは分かっていますが、ヤッパリ聞き惚れちゃいましたね。
グッと引き込まれるというか、癒されました。

井上ひさし氏の詩は、ミュージカルとは違って、言葉とメロディが寄り添うようで、聴きやすいと思いました。

生瀬さんは、チェーホフ青年こそマジメに演じていましたが、その他の役、泥棒、レストランのボーイ長、トルストイ(!)は本当に楽しそうでした。
『トリック』の矢部っぽいノリのある役もありつつ。
特に、老人のトルストイは、志村けんのコントのようでもあり、誰も聞いていない言葉遊びを連発して、最後はかなりまともなことを言っているのにギャグにしか聞こえないのが可笑しくて、面白かったです。

段田さんは、ヨッシー、生瀬さんが背が高いので、同一人物で大丈夫か?と思ったのですが、バトンタッチしたら違和感がなかったのが不思議でした。
最初は肉襦袢を着込んだ役人気質の警察官で、最後はチェーホフの恩師でもある担当医。
この人も上手いですよね。

木場さんは、桜中学の校長先生のイメージが強かったのですが、舞台中心の俳優さんということは知っていました。
メインになるのは最後なので、チェーホフの父親、医学校の教授、悪徳弁護士、絵院劇学校の先生と演じています。
重みがあるし、渋いですね。

勝手なイメージではロシア文学の抒情詩的な作家と思っていたチェーホフが、本当に描きたかったのは、ヴォードビル。
悲劇と隣り合わせにある喜劇をすくい上げたかったことを知りました。

作品のヒントが誕生する瞬間に立ち会ったり、災難の中でも「○○でなくて良かったなぁ」という喜びを見出そうとする姿勢だったり。

井上ひさし氏の脚本が、そんなチェーホフの思いを具現化していると思いました。

行くまでは客層が読めなかったのですが、演劇好きのオバさまから、会社帰りのOL、サラリーマンに、若い男子も結構多かった!

もし、チケットが入手できるのであれば、是非に!

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