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オススメ!映画紹介『台北に舞う雪』鑑賞

Taipei

昨年の東京国際映画祭で上映された作品が、やって来ました。

今回は2回目なので、ストーリー以外のところで発見があれば、と思ったのですが。

台湾北部の渓谷沿いを走るローカル線の終点・菁桐。
孤児のモウは、自分を捨てた母親が帰ってくるのを待ちながら、町中の雑用をこなす忙しい毎日を送っている。ある日、メイという女性が台北からやって来る。彼女は音楽プロデューサーのレイの下で売り出し中の新人歌手だったが、新曲発表会の直前に声が出なくなり、誰にも行き先を告げずに飛び出してきてしまったのだ。モウは、彼女に宿を紹介した縁で、その後も部屋探しなどを手伝うようになる。食堂で働き始めたメイは、明るい笑顔を見せるようになり、喉の調子も少しずつ良くなっていく。しかし、メイはプロデューサーのレイへの想いを断ち切れずにいた。彼女はずっとこの町にいるわけではない、と自分に言い聞かせながらも、モウは恋心を募らせていく。
芸能記者のジャックがメイを捜して町へやって来る。ジャックはカフェのウェンディを通してメイを見つけ出し、レイのアシスタントのリサに彼女の居場所を伝える。
新年を祝う祭りの野外ステージでメイの美しい歌声が響きわたった時、群集の中に彼女を迎えに来たレイとリサの姿があった。レイに飛び切りの笑顔を向けるメイを見て、モウは自分の気持ちを言い出すことができなくなってしまう。
こうして、メイは町を去り、歌手活動を再開するのだが・・・。

まず、菁桐というロケ地の風景ですよね。

初めてなのに、なぜか懐かしい。

日本の田舎にやってきたと言うか、おとぎ話に出てきそうな雰囲気があります。

フォ・ジェンチイ監督がロケハンでこの土地を気に入り、田代親世さんの脚本を書き直したのだそうだ。

小正月の天灯のエピソードや、ジェイ・チョウ等のモノマネをするコメディアンなどがそうらしいです。

逆に台北のシーンは、ビルの中や高速道路などの直線が多く、非常に都会的な印象を受けました。

そんな中で、ジャックがリサにメイの居場所を告げるカフェは中華圏らしい雰囲気がありました。

メイのPVのイメージフィルムっぽい部分も画像を荒くしていて、他とは少し異なる幻想的な雰囲気もありました。

台湾に行きたい病が再発してしまいました。

前回観たときに、チェン・ボーリンの演技がデビュー作『藍色夏恋』みたいだなぁ、と思ったと書いたけど、監督が『藍色夏恋』のファンで、ボーリンに「あの時のイメージで」と演技を付けたそうである。

そういう意味では自分を自分で完コピしたわけですね。

10年近く経っても、同じようにキラキラしているボーリンは、それだけで良い俳優だと思いました。

それぞれの想いが一方通行というのが良いですよね。

モウは帰ってこない母を待っていたり、メイに惹かれたり。

でも、メイはプロデューサーのレイへの想いから逃げ出してきたのに、結局は彼の元に帰っていく。

レイはそんな彼女の気持ちに気付かず、自分の音楽を作るための手段として彼女を必要としている。

スクープを狙っていたジャックは、会社が欲しかったのは別のメイのネタだと知り、落ち込むが、それ以上に自分の取材によって傷つけてしまった人たち(特に、モウ)への謝罪の念が生まれる。

これまで生きてきた環境の全く異なる人間たちが出逢うことによって生じる化学反応。

生まれてから町から出たことのなかったモウは、町を出て、母親を捜す旅に出ます。

たとえ離れた場所にいても、町の人たちは自分を見守ってくれている。

そのことに気付いたから。

そして、いつかまた町に帰ってくるのだろう。

切なくて、優しい気持ちになれました。

カフェのウエンディは美人であることを鼻にかけている感じもするのだけど、ラストのメイとの会話では非常に柔らかい雰囲気に変わっている。

彼女の変化については多くは語られていないので、彼女を主役にしたサイドストーリーが出来てしまうのではないかと思うほど、魅力的な女の子でした。

すごく近い時期に『海角7号』とこれを観たこともあって、今年はもっと台湾映画が観たいなぁ、と思ってしまうのでした。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★☆)

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コメント

はじめまして。こちらのブログでこの映画を知りました。
郷愁と切なさとあたたかさがつまったいい映画でした。
町の風景が本当によくて。日本人にもどこか懐かしい風景の中をモウとメイが自転車で二人乗りしていくシーンが大好きです。

投稿: 日月 | 2011年5月13日 (金) 01時08分

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『山の郵便配達』のフォ・ジェンチイ監督最新作。台湾北部の小さな町を舞台に、声が出なくなって逃げてきた新人歌手と地元の青年が互いに惹かれあっていく様子を描いた瑞々しいラブストーリーだ。主演は日本のドラマにも出演経験を持つ台湾のチェン・ボーリン、ヒロインにチャン・ツィイー二世と名高いトン・ヤオが出演。他にもトニー・ヤン、ジャネル・ツァイ、テレサ・チーといった若手俳優が揃う。... [続きを読む]

受信: 2010年3月 3日 (水) 23時05分

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