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オススメ!映画紹介『人間失格』鑑賞

Shikkaku

太宰治生誕100年の真打登場です。

最後の完成した作品として発表された原作は自叙伝とも言われ、酒に溺れ、破滅していく主人公とそんな彼に惹かれる女たちとの物語が展開していく。

津軽の資産家で貴族院議員の息子・大庭葉蔵は、作り笑いの練習し、授業中にわざと失敗して笑いを取るような少年だった。しかし、同級生の竹一に、その計算を見抜かれてしまい、「将来は女にもて、偉い絵描きになる」と予言される。
高校進学のため上京した葉蔵は、画塾で年上の遊び人・堀木と出会う。堀木に連れられて入った律子が営むバー【青い花】で、泥酔した詩人の中原中也に絡まれ閉口していた葉蔵だったが、次第に彼も酒に溺れていく。
カフェで女給をする常子に、自分と同じ寂しさを感じた葉蔵は、鎌倉の海で心中を図るが、死んだのは常子だけだった。
堀木の家で、葉蔵は子持ちの記者・静子と出会い、彼女のアパートで暮らすようになるが、静子の娘の「本当のお父さんが欲しい」の一言で、アパートを出て、【青い花】の2階に寝泊まりするようになってしまう。
バーの向かいにあるタバコ屋の娘・良子に惹かれ、結婚する。良子との生活は穏やかで、葉蔵は次第に人間らしさを取り戻す。しかし、久しぶりに堀木と再会した日、葉蔵は思いがけない光景を目にすることになる。

・・・暗くて、重たい作品だなぁ。

生田斗真君が目当ての中高生には、どんな風に見えたのだろうか、非常に気になりました。

斗真君の熱演は凄かったですね。

特に中盤の身を破滅させていくところは、もう単なるアイドルではなかった。

美しいまま、壊れていく、身体と心。

太宰と一体化したかのように、振り切れていました。

ジャーニーズながら、歌えない、踊れない、役者でいくと言い切る変り種ですから、このまま突き進んで欲しいですね。

女優陣では、心中の相手となる常子を演じた寺島しのぶが印象的。

荒戸源太郎監督の『赤目四十八瀧心中未遂』で、女優賞を総ナメにした恩返しとばかりに、孤独な魂と共鳴する女性を静かに演じています。

清純派の石原さとみは、葉蔵の妻となる良子を演じます。

彼女の表情の演技に注目して欲しい。

好きな男(葉蔵)に見せる顔、煙草を買いにきた他の客に見せる顔、一人の時の顔。

葉蔵にとっては太陽のような存在でも、実はある意味で「汚れ」という、女性の多面性を見事に演じ分けてくれました。

最近ではダークヒロイン的な役もやっているし、若手の中では楽しみな女優の一人ですね。

葉蔵をどん底に突き落とす寿役の室井滋、葉蔵を母のように、恋人のように包み込む最後の女性・鉄を演じた三田佳子も素晴らしい。

ラブシーンが若い女優とよりも熟女との方が多いというのがユニークですよね。

でも、三田さんとのシーンは『母なる証明』のウォンビンのような、胎児をイメージさせるシーンでした。

それから、【青い花】の律子を演じた大楠道代さんも、微妙なサジ加減で上手いなぁ。

葉蔵と男女関係であるのか、ないのか、非常に曖昧なのだけど、他の女性達が葉蔵と同じ立場に立っているのに、彼女だけが上から目線なんですよね。

実在の詩人・中原中也を演じた森田剛君も印象的。

ウチの母親が「この子は昔は可愛かったのに、随分と汚くなっちゃたわね~」と良く言っているのですが、トンネルのシーンとか実にキレイでした。

角川シネマの大きなスクリーンが満杯だったのは初めてかも。

帰りのエレベーターで一緒になったOLが「若い子で一杯だったけど、物語に関係なく、アップになったらキャーとかにならなくて良かった」と言っていたのが、やけに印象に残りました。

(満足度:★★★☆、オススメ度:★★★)

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受信: 2010年2月23日 (火) 22時43分

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「抱擁のかけら」★★★★ ペネロペ・クルス、ルイス・オマール、ブランカ・ポルティージョ主演 ペドロ・アルモドバル監督、128分、 2010年2月13日名古屋公開、2009,スペイン,松竹 (原題:LOS ABRAZOS ROTOS )                     →  ★映画のブログ★                      どんなブログが人気なのか知りたい← 「事故で視覚を失った男(ルイス・オマール)は、 かつて映画監督だったが現在は脚本を執筆している。 ある夜、事故に遭った... [続きを読む]

受信: 2010年3月 2日 (火) 23時11分

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