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オススメ!映画紹介『真幸くあらば』鑑賞

Masakikuaraba_02

先日、原作本の紹介をしましたが、映画の方も観てきました。

南木野淳は、遊ぶ金欲しさに空き巣に入った家で、居合わせたカップルを衝動的に殺害、一審で死刑を宣告。弁護士が提出した控訴を自ら取り下げ、そのまま死刑囚として投獄される。
ある日、彼のもとにクリスチャンのボランティアの女性が面会に訪れる。川原薫と名乗るその女は、淳が殺した男性の婚約者だった。婚約者を殺害した憎むべき男であるとともに、自分とは別の女との逢引していた婚約者の不実を暴き、それを裁いた男。薫はそんな淳のことを徐々に惹かれ始めていった。
一方、幼いときから愛を知らずに育った淳も、薫によって生きる喜びを知り、人を愛することに目覚めていく。
しかし、二人は厳重な監視が付いた面会室の中、アクリル越しでしか話すことができない。互いに求め合う淳と薫は、薫が差し入れる聖書に小さな文字で書き込みをし、互いの思いを伝え合う『秘密の通信』を開始する。

監督したのは、森山直太朗の親友であり、無二のパートナーである詩人・御徒町凧。

そもそも、別の監督での撮影で準備が進められていたらしいのですが、死刑執行の取り扱い方についてプロデューサーの奥山和由氏(久し振りに聞く名前かも)との相違から監督が降板。

音楽監督である直太朗のスタッフとして、テーマソングの作詞を担当しており、映像作品に興味を示していたことから、撮影開始まで数週間というところで白羽の矢が当たったそうです。

その出来栄えは直太朗をして「お前、何て言う映画を作っちまったんだ」である。

原作の中から、死刑囚の男性と被害者の婚約者であり養母となる女性の純愛に絞込み、「生きる」というテーマをより明確に切り出しています。

クライマックスである満月の夜の遠距離情事は、直太朗のテーマソングが賛美歌のように聞こえてきて、ある意味で神々しく、それでいて艶めかしく、確かにその時、二人は生きていたと思えました。

演技経験のないモデルを起用したことで、不器用に生きてきた青年像をくっきりと浮き立たせ、国際映画祭での評価が高い演技派の尾野真千子がしっかりとそれに呼応しています。

彼女の大胆な演技が、生真面目だけど何かをしでかしそうな危うい薫という女性の行き方とダブっていました。

ミッキー・カーチス、テリー伊藤、YOU THE ROCK★という曲者揃いの中、味方となる看守を演じた山中聡君の柔和な演技が光っていました。

フィールド違いのアーティストが撮った映画という枠を超えて、将来有望な新人映画監督の誕生と言えるのではないだろうか。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★★)

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» 真幸くあらば [LOVE Cinemas 調布]
殺人事件の死刑囚と、その被害者の婚約者だった女性、通常ではありえない2人の永遠に結ばれることのない恋愛関係を描き出した問題作。主演は『殯(もがり)の森』の尾野真千子とTVドラマ『ブラッディ・マンデイ』の久保田将至。監督はこれがデビュー作となる詩人で作詞家の御徒町凧、そして音楽監督を森山直太朗が務めている。狂おしいまでにお互いを求め合うクライマックスは衝撃的だ。... [続きを読む]

受信: 2010年1月19日 (火) 22時46分

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