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愛読書!『悪人/吉田修一』

Akunin

伊坂幸太郎と共に映画化される作品が多い吉田修一。

この作品も、妻夫木聡、深津絵里主演で映画が製作されるそうです。

読んだのは上・下巻の文庫本ですが、一気に読んじゃいました。

福岡で保険外交員の女が山中で殺害された。直前まで繁華街で食事をしていた同僚の話では、交際していた温泉旅館の御曹司と待ち合わせをしていたと言う。しかも、当の大学生は事件前後から音信不通となっていた。
しかし、彼女の携帯電話には、他にも出会い系サイトで知り合った複数の男性との交友の記録が残っていた。
そんな彼女の交際相手の一人、長崎県で土木作業員をしている清水祐一は、母親に捨てられ、代わりに育ててくれた祖父母の世話をする真面目な青年だった。
一方、佐賀に住む紳士服販売員の馬込光代は、容姿に自信がなく、引っ込み思案な性格だったが、最近、サイトで知り合った祐一と会ってみることにする。
加害者と被害者、そして、それぞれの家族たち。女性を殺害した男は、別の女性と共に逃避行に及ぶ。
なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?

群像劇って、好きです。

事件とは直接関係のない風俗嬢や出会い系にハマるオタクたちも、キャラが立っていました。

祐一は本当に気持ちの良い奴。

純真だし、容姿ではなく、心を愛してくれる男。

心の闇は抱えているものの、決して悪人には見えない。

光代も付き合い始めた男に「実は人殺しなんだ」と告白されて、一緒に逃げることを選ぶ情の厚い女性。

二人とも九州人っぽいのかな、と思いながら読んでいました。

印象的なのは、被害者の父親の床屋さんと、加害者の祖母のエピソード。

共に娘を、孫を守るために強くありたいと、父親は犯人ではなかったものの、車で山中に置き去りにした青年を殺しに、祖母は悪徳商法の事務所に契約破棄を訴えに、殴り込みをかける。

一見、ここには何処にも「悪人」はいない。

でも、それは言い換えると、誰もが「悪人」になりえるのかもしれない、ということではないだろうか。

吉田修一の小説は、オチというか、決着しないまま終わるものが多い。

この作品も、この後の彼等が気になる、良き方向に向かっていて欲しいという余韻を残して終わっています。

映画、楽しみです。

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