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オススメ!映画紹介『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』鑑賞

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昨年『おくりびと』がグランプリを獲得したモントリオール映画祭で、根岸吉太郎監督が監督賞を受賞した、太宰治の短編を映画化した作品。

戦後間もない東京。ある夜、酒代を踏み倒した上に、その飲み屋から5千円を盗んで逃げ出した放蕩者の小説家・大谷を追いかけて、飲み屋夫婦が自宅までやってきた。大谷は飲み屋夫婦と言い争うが、妻の佐知が割って入った瞬間、その場から逃げ出してしまう。
翌朝、佐知はなんとか警察沙汰だけは許してもらおうと、中野の飲み屋・椿屋へ出向き、夫が過去に踏み倒した酒代の肩代わりに、椿屋で働くことにする。
いきいきと働く佐知の美しさと明るさが評判となって椿屋は大繁盛。家ではあまり会うことのなかった夫と、椿屋で会うことができるようになったことに、佐和は幸せを感じていた。
そんな中、佐和に好意を持つ真面目な工員・岡田や、かつて佐知が思いを寄せていた弁護士・辻が現れ、佐知の心は揺れ動く。
しかし、大谷は、バーの女・秋子と共に姿を消してしまう・・・。

実は、松たか子は長編映画は初主演である。

目立つことなく、それでも美しく、明るい佐知に合わせて、すっかり昭和テイストしていました。

簡単に言ってしまうと「ダメ男に献身に尽くす妻」なのだけど、受け入れるのではなく、自ら切り開く強い女性。

飲み屋で働くことで、社会における自分の価値を見つけていき、誰からも愛されていく。

貧乏であっても、その身に何が起きても、失われない品格が漂っていました。

敬語で会話する夫婦って不思議でしたが、二人の関係には合っていたのではないでしょうか。

室井滋、伊武雅刀、堤真一と演技派を脇に置き、浅野忠信、妻夫木聡、広末涼子という感覚で演技の出来る旬な俳優を並べる。

浅野君の旦那様は、真面目にやっているのが、面白いほど突飛な行動をしていて、笑えました。

彼のヘタウマな演技が大谷という放蕩者にマッチしていました。

従順な犬のような妻夫木君の青年は純朴で良かったけど、引き際があっさりしすぎていたかな。

もう少し、ドロドロした彼も観てみたかったかな。

退廃感の漂う愛人役の広末は、警察で佐知とすれ違った時の【目】が見事でした。

「勝ったわ」って、余裕の笑み。

大谷と佐知は夫婦で、最終的には彼女の所へ帰るし、多分、遺書だって佐知宛だけど、一時でも、一緒に死のうとしてくれたことに対しての勝利の目。

強烈でした。

太宰作品は、自らを投影した作品が多いので、表題作に同じテイストの作品をつなぎ合わせ、弁護士の辻のエピソードなどの創作を加えて、一つの世界を作り上げていく。

一つ一つのエピソードに違和感なく、つながっていた演出が、監督賞に結びついたのでしょうか。

観客は、本当に幅広い世代の方が入っていました。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★★)

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太宰治生誕100周年のトップを切って公開される作品。同日公開に『パンドラの匣』がある。主演は『K-20 怪人二十面相・伝 』の松たか子。共演に『剱岳 点の気』の浅野忠信、『おくりびと』の広末涼子、『ノーボーイズ、ノークライ』の妻夫木聡、堤真一、室井滋、伊武雅刀といった名優が揃う。監督の根岸吉太郎は第33回モントリオール世界映画祭で監督賞を受賞した。... [続きを読む]

受信: 2009年10月15日 (木) 22時03分

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