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オススメ!映画紹介『グラン・トリノ』鑑賞

Grantorino

クリント・イーストウッドの4年振りの監督・主演作。

俳優としては、これが引退作と言っているようですが・・・。

元・軍人のウォルトは、仕事を引退してからはビールを飲み、月に一度理髪店に通うという生活を単調に繰り替えすだけの毎日を過ごしていた。
そんな彼を心配した妻は教会の神父に彼の世話を依頼し、亡くなっていった。そもそも、ウォルトは、近所に住むアジア系やラテン系の移民との交流を頑なに拒んでいるばかりか、実の息子や孫たちとも、良好な関係を築けずにいた。
ある晩、愛車・グラン・トリノが盗まれそうになる事件が起き、ウォルトに転機が訪れる。彼の嫌悪するアジア系移民の不良集団が、内気な少年・タオに盗みを強要したのをきっかけに、ウォルトはタオ一家と接するようになる。
この出会いが、思いがけない友情につながり、2人の人生は変化を見せていく。

イーストウッドは、今年79歳になるそうだが、どこからこんなに素敵な物語を見つけてくるのだろうか。

ミャンマーを中心とする山岳民族であるモン族は、ヴェトナム戦争でアメリカに協力したことで故郷にいづらくなり、アメリカに移民してくる。

しかし、それはアメリカでも同じことであったけど、彼等は彼等のコミュニティを形成していく。

アメリカという国が背負った歴史、背景をスポッとはめてくる辺りがスゴイ。

引っ越してきた時に、ウォルトは「ふん、アジア系が」と馬鹿にし、タオの祖母は「あの白人、いつになったらここから出て行くのかしら」とつぶやくのが、ユーモラスでした。

そうそう、強面だけど、実は非常にユーモラスというのが、ウォルトの特徴だと思います。

それは、はじめは自分の領域に入ってくるなと線を引いていたウォルトも、路上でタオの姉・スーを黒人の不良たちから救い、頭の回転が速く、アメリカナイズされたスーを気に入るエピソードからも伺えます。

タオも、スーも、オーデションで選ばれた素人らしいのですが、良く見つけてきてくれた!って位、ピッタリでした。

この後は、父親のいないタオに、人生の先輩として生き方を説いていくという感じで、物語は進行していきます。

大学へ行くための学費は自分で稼げと工事現場の仕事を与えたり、彼独自の「男道」を教えていく過程は、ほのぼのとしました。

しかし、事件が起きてしまい、悲劇のエンディングへ・・・。

毛嫌いしていた神父の元へ行き、懺悔するシーン。

戦争を越えてきた彼は、教会や懺悔に何の意味もない、と言いながら、本当は赦されたかったのではないか、ということが見えてきます。

最後に披露される彼の遺言状の中身。

それが遺言状かよ、と突っ込みたくなるような、ウォルトらしい文面でした。

これは絶対に観ておくべき作品だと思います。

(満足度:★★★★☆、オススメ度:★★★★)

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前作『チェンジリング』のみならぬ、数々の名作を世に送り出したクリント・イーストウッド最新作。監督、主演ともにイーストウッド本人が務める。本人曰く俳優としてのクリント・イーストウッドはこれが引退作だとのこと。そんなことを言わないで欲しい、俳優としても監督としても、あなたほど映画の神に愛された人を私は知らない…。... [続きを読む]

受信: 2009年5月 7日 (木) 21時46分

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