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【舞台鑑賞】『赤い城 黒い砂』@日比谷・日生劇場

Akakuro

2月の『孫悟空』が公演中止になったので、久し振りの日生劇場です。

幻のシェークスピアと言われている『二人の貴公子』を大胆に脚色した作品。

「モダンスイマーズ」の蓬莱竜太氏の脚本は、舞台をギリシアから架空のアジアの国に置き換えて、不思議な世界を作り出していました。

赤い国と黒い国。二つの国は絶えず戦争を繰り返していた。
黒い国には「黒い国の獅子」という異名を持つ二人の英雄がいた。
冷静沈着な男ジンクと自信家のカタリ。
二人は無二の親友として育ち、戦場では目を見張る活躍ぶりを見せていた。
一方、赤い国の王女ナジャは、その勇猛さから「赤い国の魔女」と呼ばれていた。
戦場で出逢った3人は、荒れ狂う運命に巻き込まれていく。

物語としては、非常にオーソドックス。

勇者2人と王女、それに牢番の娘ココの4人が奏でる悲しい愛の物語。

ジンクに片岡愛之助、カタリに中村獅童と、歌舞伎界のスターを起用しているのですが、西洋の騎士道を日本の武士道に置き換えて、という点では成功していると思いました。

特に、喜怒哀楽を心のままに表現するカタリは、獅童君が時にユーモラスに、時にシリアスに、変幻自在な演技を魅せてくれました。

一方、ジンクは、自分の欲望のためには、どんな手段をも厭わないタイプの男。

祖国や親友を裏切り、赤い国の近衛兵として順調に出世し、ナジャの夫の座もあと一歩というところ。

写真集とかを出して、セクシー路線で売っている(?)愛之助の役としては、チョット性格悪めな役ですが、見方によっちゃあ、可愛そうな男である。

なぜなら、王女のナジャはなびかない。

生まれたときから腹違いの姉や、最愛の女王を亡くして、瓜二つの娘を遠ざける国王の中で育ち、愛することを知らないナジャ。

戦いの中でしか自分を見出せず、戦いを通してカタリと心を通じ合わせる。

激しい殺陣やアジアンチックな衣装は、黒木メイサには適役と言えるが、適するが故にもう一つ欲しかったような気もしました。

チョット似たような役が、多すぎるような気もします。

舞台初挑戦の『赤い糸』南沢奈央は、カタリを愛し、脱獄を手助けしてしまう、牢番の娘の役。

後半は想いが届かず、発狂してしまうという難役を、割と素直に演じていました。

個人的にはナジャの異母姉を演じた馬渕英俚可にハマってしまいました。

側室の子で王位継承権はなく、お気に入りの妹の親衛隊長には見向きもされない、かわいそ加減が良かった。

シェークスピア作ながら、非常に分かりやすく、現代社会に置き換えることも出来そうな位、世界観が完成していると思いました。

登場人物にとって、「戦うことは即ち愛することなのだ」と理解できれば、どなたにもオススメできると思います。

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