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第21回東京国際映画祭【6日目】

本日は7時~16時の変則Flex勤務で、六本木へ走りました。

○クロッシング(韓国)

今回、上映作品が発表された時に、「何が何でも観る」と決めた数本の内の1本でした。

想像していた以上に、愛情に溢れ、だけど、胸がザワザワと憤りを感ずにはいられない作品でした。

北朝鮮の炭鉱町。元サッカー選手で国から勲章を受けたこともある英雄キム・ヨンスも、妻と子供と暮らしていた。
二人目の子供を妊娠した妻は、同時に結核に冒され、高価な薬でないと服用できないため、ヨンスは国境を越え、中国で薬を購入することを決意する。
脱北者の取り締まりから逃げる日々、取材に応じれば金を出すという言葉に騙され、ドイツ大使館へ駆け込んだヨンスは、亡命者としてソウルに渡り、家族の待つ北朝鮮に帰ることが出来なくなってしまう。
その頃、父親は行方不明、母親は病死という状況で、息子はヨンスの後を追って、中国に向かおうとしていたが、裏切り者の息子として強制収容所へ入れられてしまう。過酷な条件で、初恋の女の子の死を目の当たりにする。
そんな時に、家族を呼び寄せるために質素倹約な生活をしていたヨンスは、ブローカーを通じて、家族をモンゴル経由で亡命させる手配を進めていた。

もう、北朝鮮、中国朝鮮族の生活の描写が半端なかったです。

埃というか、黒い炭というか、画面全体がくすんでいました。

だからこそ、ソウルや中国の都市のきらびやかさ、ラストのモンゴルの自然の怖いほどの美しさが際立つのですが。

ヨンスは北朝鮮では英雄的なスター選手で、生活的にも保障されているはずなのですが、これで良いのか?って生活です。

やっぱり何かがおかしい・・・。

息子を演じた子役の演技が、もう本当に純真な感じで、父親を信じ切っている子供の、愛らしさ一杯で印象的でした。

この監督は、『オオカミたちの誘惑』とか撮った人ですよね。

毎回違ったタイプの作品を送り出してくれます。

硬派で、詩情豊かな表現で描く、壮絶な愛の物語でした。

シネカノンさんの資本が入っているみたいなので、ヒットする、しないに関わらず、一般公開して欲しい!

○ハーフ・ライフ(アメリカ)

こちらはロス郊外の住宅地を舞台にした家族の物語。

数年前に飛行機乗りだった父親がフライトに出たまま行方不明になり、バランスを崩してしまった、アジア系アメリカ人の母、娘、年の離れた弟の3人家族。
元医師の母は、ロッジ経営者の年下の恋人を家に上げ、姉のパムはボーイフレンドからゲイであることをカミング・アウトされる。そして、授業中も絵ばかりを描いている、空想癖のあるティムは、そんな大人たちを冷静に観察していた。
ホームパーティで、彼の恋人が弟のクラス担任だと知ったパムが、台所で母親の恋人とキスしてしまったことから、大騒動に発展していく。

登場人物の誰もが、住み難さや抑圧感を感じる街から逃げ出したい、と思っている。

そこに、家族の問題とか、ゲイの青年を登場させ、現代アメリカ社会を描いていくのだけど、TVからも環境汚染のニュースが流れていたりして、すごくリアリスティックに描かれていました。

反面、空想癖のあるティムのイマジネーションの世界として、アニメーションやデジタル画面のイラストレーションなどを多用し、ポップな感じを出していました。

プールのシーンなんかでは、赤、黄色、青とビビットな感じの色の水着で目を引きましたね。

最後まで観終えると、バランスを崩していた生活が想像の世界だったようにも思えてきて、それともやっぱり現実だったのか、非常に曖昧に描かれていたことに気付きます。

全てはホントで、ウソなのかもしれません。

でも、嘘でもないと思うのですが。

『ハーフ・ライフ』とは、化学用語で変化している間の時間とかって意味があるそうなのですが、完全には一人ではない生活、半分は誰かと一緒、とかのイメージもあって、採用したそうです。

脚本段階では『ピーチズ』というタイトルだったとか。

ティムが、桃の缶詰を、自分で開けて、食べられるようになる過程が描かれていますので。

これもなかなか面白かったですね。

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受信: 2008年10月31日 (金) 12時48分

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