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韓流シネフェス2008秋【1】『ハピネス』

Happiness『四月の雪』のホ・ジノ監督と呼ばれるのには少し抵抗がある。

僕にとっては、『八クリ』、それ以上に『春の日は過ぎ行く』を五つ星付けちゃう位に愛している。

そんな監督の作品は、『八クリ』とポジとネガみたいな作品だな、と感じた。

本日は監督のティーチイン付き上映であった。

経営していたクラブが潰れ、恋人とも別れ、おまけに深刻な肝硬変を患ったヨンスは、周囲には留学すると嘘をつき、逃げるように田舎の療養所へ向う。
療養所の最寄のバス停で出会ったウニは、療養所で8年目を過ごしながら、スタッフとして働いていた。肺の6割を摘出した重症の肺疾患患者だが明るくて楽天的なウニは、自身の病気には無頓着で、ヨンスに自分から近付いていく。
田舎の療養所での未来なんて見えない惨めな暮らしの中で、ヨンスはウニに頼り、手を握り、キスをして、遂には夜を共に過ごす仲に発展する。
そして二人は療養所を出て一緒に暮らし始める。
しかし、ウニの助けで健康を取り戻したヨンスは、酷く貧乏臭い田舎の生活に段々と嫌気がさすようになり、いつ死ぬかも知れない病弱なウニの存在も負担になっていく。そんな時に、ヨンスを訪ねて、ソウルから友人が元恋人と共に見舞いにやって来る。

いやぁ、胸が痛かったですね。

別れても忘れられない都会的な女と、自分なしでは生きていくことさえ出来ないかもしれない田舎の女。

これは、かつて夜のソウルでブイブイ言わせていた快楽的な生活と、田舎で地味で小さいけど確かな幸せ感と置き換えても良い。

多分、どちらも大事だし、比べることは出来ないけど、その場面、その場面では、間違いなく愛があったはず。

だからこそ「お前から俺を振ってくれ」ってセリフになるのだけど・・・。

ファン・ジョンミンは、田舎の純情中年のイメージがあるけど、ソウルの夜では都会的なワル風に、療養所では田舎の兄ちゃん風に演じ分けていたように見えました。

大人の男の可愛らしさ、優しさ、だらしなさ、全部ひっくるめて、魅力的です。

病弱なウニを演じたイム・スジョンは、童顔なので可愛らしく見えるけど、演技力は確かにあるし、実年齢は大人の女性。

観る前は、年の差カップルにならないか心配でしたけど、最初のバス停のシーンでダサい服を着て、昔の百恵ちゃんカット風の髪型で登場した時に、あっ、OK!、と思いました。

急に不安になるヨンスを包み込むマリアのような愛が、立場が逆転するとすがり付く。

でも、最後はきっとヨンスを再び、愛で包んであげたんだと思う。

そして、僕的には、ヨンスの元カノを演じたコン・ヒョジンが良かった。

すっごい嫌な女なんだけど、笑顔がカワイイ、都会の女。

そして、それを知ってて、男の前でそう振舞えるズルイ女。

ソウルの成功した女性で、イム・スジョンとの対比が良かったのだけど、この二人の共演って、贅沢だよなぁ。

ティーチインでは、ファン・ジョンミンをキャスティングしたのは、これまでの作品の男性が「静」としたら、ヨンスは「動」だから、という話しをされていました。

だからなのか、前半はホ・ジノ作品らしい心象風景的なカットが少なくて、後半に入ってから、朝鮮半島の西海岸にある大田の田舎の風景の美しさを切り取ったカットが増えているように感じました。

その辺が、これまでの作品とは「ポジとネガ」と感じた理由かもしれません。

ホ・ジノ監督は最近自分の4作品を一気観したらしいのですが、全ての作品の共通項は登場人物が亡くなることだと気付いたそうです。

(今更、気付くな!)

死は身近なものなのに、何処か遠くにあるような気もするし、でも死に直面した時に人は自身の生を感じることが出来る、ってことを一貫して描いています。

肝硬変という病人を演じるファン・ジョンミンは、酔っ払うシーンが沢山出てきます。

『四月の雪』の時だったかな、監督とソン・イエジンが撮影前に一杯引っ掛けてから撮影したと聞いたのは。

今回もきっと、と思ったら、ファン・ジョンミンは素面だそうです。神業的です!

しかし、ある重要なシーンだけは、飲まずには演じられなかったのだとか、それは・・・。

結構、重要なシーンで、なるほど、と思いました。

映画のラストは、病気を再発させたヨンスが療養所に向かう雪道を歩くバックショットで終わります。

療養所の名前は【希望の家】。

ある意味、希望に満ちた終わり方で、余韻に浸れました。

公開期間は短いですが、韓国映画ファンなら必見でしょう。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★★)

追伸

『春の日は過ぎ行く』で来日された時、別れ話ばかり撮る理由として、「成就した恋愛よりも、別れてしまった恋愛の方が愛の記憶は深いから」と話していた当時は独身だった監督ですが、昨年、めでたく結婚されたそうです。

僕は思いっきり、「同感!」と感じていたのに・・・。

お幸せに!!

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