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オススメ!映画紹介『闇の子供たち』鑑賞

Yaminoko1以前に書籍紹介をした梁石日の小説の映画化作品が、本日封切られました。

幸運にも、初日舞台挨拶のチケットを入手できたので、観て来ました。

かなり後ろの方の席でしたが、映画館の中で待機中の佐藤浩市さんと宮崎あおいちゃんに遭遇しました。ホントに2m位の距離でした・・・。

さて、小説の紹介は、下記にあります。

http://lifeislikethat.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_7023.html

タイ在住の新聞記者・南部は、東京本社から近くタイで心臓手術をする日本人の子供がいるとの情報を得て、ドナーとなるタイの子供の臓器売買の取材をすることになる。
希望に燃えてタイに赴任してきたNGO職員の音羽恵子や、臆病者でファインダー越しにしか人と目を合わせられないフリーカメラマンの与田の協力を得て、幼児売買や臓器密売など、罪のない幼い子供たちが安易に金銭取引されているこの現実を目の当たりにする。
しかし、横行するタイの“闇”の部分に触れ、その事実を暴き、傷つけられている子供たちを救おうとすればするほど、残酷な現実が彼らの前に立ちはだかっていく。

小説のグロテスクな表現は薄められているものの、子供たちに暴力を振るい、興奮する愚かな大人たちの姿はしっかりと描かれていた。

HIVに感染してゴミとして捨てられた少女と、彼女と入れ替わるように売春宿に連れて来られて、後に生きたまま日本人少年の心臓移植のドナーとなる妹のエピソードは、説明不足な点もあったが、カットされることなく残っていた。

それに加えて、かつての被害者で、病気にならずに大人になった少年少女を、登場人物の中に含ませ、これが現実であることを印象付けている。

日本人観光客に買われ、ホテルに入ったところで救出された少女は、そのままNGO職員となるが、日本人というだけで恵子を毛嫌いしている。

そして、誰にも助け出されなかった少年は、他に生きる道を知らず、かつて自分もそうされたように、タイ国中から近隣諸国まで、子供たちをかき集めてくる売人グループの一人となっている。

この辺の設定は、上手いと思いました。

恵子の大学の先輩から主人公に格上げされた南部は、原作では「いずれは日本に帰る人」だったが、「タイから帰ることの出来ない運命を背負った男」に変更されていた。

正義感と野性味で記者を演じていた江口洋介さんが、最後に見せた南部の素顔、弱さ、醜さ・・・。

驚愕というか、やられた!と思いました。

「遠くの国の出来事でなく、日本人として身近に感じて欲しい」という監督のメッセージが濃く感じられました。

Yaminoko2音羽恵子の方は、出番は若干少なくなり、強さよりも弱さの方が引き立っていたような気もするが、最後に「私は言い訳をしたくない」と言い放つ強固な意志を示し、自己の葛藤や矛盾に悩む南部を浮き上がらせる存在として、引導を渡す重要な役割を担っていた。

宮崎あおいちゃんは、意気揚々として異国の地に赴き、しかし、現実を知り、自分の無力を痛感して悩む女性を演じる。

幼い少女に「恵子は笑顔が良いよ」と言われて、とりあえず取り繕う、つくり笑い。

・・・やっぱり上手い。

彼女がバンコクのスラム街を視察して歩き回るシーンは、まるでドキュメンタリーを見ているかのような錯覚を覚えました。

アジアの子供たちに女優として何かをしてあげたい、という真摯な言葉は胸に響きました。

そして、南部の設定変更にも伴い、役の重要性が増したフリーカメラマンの与田は、妻夫木君が演じます。

臆病者で、見て、見ない振りをしてしまう、平均的な日本人として登場し、取材を通して、逃げ出さずに、真実を直視する青年。

出番は多くないけど、すごく自然に演じていて、共感が持てました。

Mr.平均値的な役を演じるのは、一番上手いですからね。

そして、物語を締め括る重要な目撃者となっています。

2回目の回だったので、挨拶は上映前。

でも、映画が終わった時に拍手が自然発生しました。

万人に軽い気持ちでオススメできる作品ではありません。

途中で、怒って、帰っちゃう人もいるかもしれない。

それでも、アジアの熱気と、監督の熱意に、役者の熱演が重なった、奇跡のような映画であることは、間違いありません。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★)

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タイ駐在の新聞記者・南部は、日本人の子供が近くタイで受ける臓器移植手術の取材を依頼される。 臓器密売では、子供は生きたまま臓器を取られ、幼児売春では外国人客のセックスの玩具にされ、病気にかかれば生きたままゴミとして捨てられる現実。 NGO職員・音羽、カメラマン・与田の協力で取材を進め、子供たちを救おうとするが…。 社会派ドラマ。 原作:梁石日... [続きを読む]

受信: 2008年8月 2日 (土) 23時39分

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