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オススメ!映画紹介『天安門、恋人たち』鑑賞

Tenanmon中国当局の検閲を経ずにカンヌ映画祭で上映され、映画祭での熱狂とは裏腹に、中国では上映禁止、監督の活動停止処分となった話題作。

中国東北地方、北朝鮮との国境近くの村から、北京の大学に入学することになった美しい娘、ユー・ホン。
文革後、80年代後半の中国は、自由と民主化を求める嵐が学生たちの間で吹き荒れていた。
ユー・ホンは学生寮で知り合った友人リー・ティから、青年チョウ・ウェイを紹介され、急速に親しくなり、次第に狂おしく愛し合う。
しかし、1989年6月の天安門事件後、ユー・ホンは帰郷し、チョウ・ウェイは自由を求めてベルリンへと脱出する。
いくつかの仕事と恋愛を経験するユー・ホンと、慣れないドイツでもがきながら懸命に生きるチョウ・ウェイだったが、二人はお互いのことを忘れらないでいた・・・。

中国映画初という過激なラブシーンに、『ラスト・コーション』と比較されることが多いようですが、全く別物ですね。

向こうが過激な中に美を求めたアートであるのに対し、こちらは男女の若さの衝突と言うか、画的な過激さの割りには全くエロティックな感じはしませんでした。

前半の学生運動の時代の雰囲気、学生寮での生活とか興味深かったし、恋人同士のために同室の住居者たちが外出するのは、懐かしい感じがしましたね。

愛しすぎて、「このまま別れることになったら辛いから、先に別れておこう」って、矛盾しているけど、学生時代の恋って、そんなこと思ったこともあったよなぁ、と自分に重ねてみたりもしました。

天安門事件の描写もありますが、政治色は一切ありませんし、時代の雰囲気を切り取ったに過ぎず、その後の二人がしっかり描かれています。

北京に迎えに来た元カレと故郷に帰ったユー・ホンは、その後は中国各地を転々としながら、妻子ある中年男性と不倫してみたり、若い同僚に求婚されたり、いくつも恋を重ねながらも、いつも相手の向こう側にチョウ・ウェイを見えていて、比べてしまう。

一方、自由を求めながら、言葉の通じないドイツで孤独を感じ、夫のいるリー・ティと関係を重ねているチョウ・ウェイもまた、何処かでユー・ホンを求めていた。

愛し合いながら別れてしまったら、あるよなぁ、そういうの。

そして、夫と愛人との3人での生活の中で、そんなチョウ・ウェイの本心に気が付いているリー・ティも孤独な女だよな。

親友を裏切って奪った恋。自由の証し。

ユー・ホンにとって、チョウ・ウェイは、青春時代の象徴。

忘れることの出来ない、忘れ物。

きっと、僕も、誰もが、そんな恋を持っていて、何てことない顔をして生きている。

そんなことを思い出させてくれる映画です。

表現が過激だから、という理由だけで、この映画を観られないなんて、もったいないですよね。

だけど、いつの時代も若者は、自由を求めて、闇のルートや外の世界から観るのだろうな。

2時間20分と長丁場ではありますが、観て損はない作品だと思います。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★)

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