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オススメ!映画紹介『告発のとき』鑑賞

Kokuhatsuオスカー作品である『クラッシュ』や、一連のイーストウッド作品を通じて、すっかりファンになっていたポール・ハギスの新作。

トミー・リー・ジョーンズ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドンという名優たちを起用しながら、本国での配給がワーナーのインディペンデント部門というのが不思議です。

退役軍人ハンクは、イラクの最前線からアメリカに帰国した直後に息子のマイクが軍隊から脱走したとの連絡を受け、現地に飛んで行く。
地元警察の女捜査官エミリーの強力を得て、ハンクは息子を探しだそうとするが、そこにはある秘密が隠されていた。真実を追い求めるにつれて、父親の知らない息子の素顔が明らかになっていく。

アメリカ映画には、ベトナム戦争とその復員兵たちの苦悩や喪失感というテーマの作品がありますが、時代はイラク戦争なんですね。

元軍人で戦場での現実は理解しながら、父親として息子の行方を追い、真実に近付こうとする父親の深い愛情を演じるトミー・リー・ジョーンズの演技を堪能することは出来ました。

上手いです。渋いです。格好よいです。

今回は美人のまんまでシングル・マザーを演じたシャーリーズ・セロンも、親としてハンクに共感を持ち、捜査に協力するシングルマザーを好演している。

エミリー自身も、バツイチで、その元旦那は息子の父親ではない、というセリフがあったり、上司のセクハラや、同僚からはペットや家畜の虐待(?)のような普通は事件にもならないような相談ばかりを回されるというパワハラを受けていて、問題を抱えている。

一人『クラッシュ』状態ですね。

そして、スーザン・サランドンは出演シーンこそ少ないが、息子を失った喪失感を迫真の演技で見事に表現している。

ここだけでも、必見です。

物語は旧約聖書の巨人ゴリアテとダビデ少年の戦いを引用しているかと思えば、携帯ムービーが物語の鍵となっていて、上手く出来ている。

作品自体はフィクションであるが、モデルになった帰還兵の行方不明→殺人遺棄事件はあったそうです。

米国vsテロリストの戦いであったはずが、現地では一般の関係ない人たちの殺戮を繰り返し、そしてそうしなければ自分自身が殺されてしまう。

普通の日常生活を過ごしてきた若者が、突然に戦場に放り込まれ、そこで繰り広げられることのとのギャップが大きすぎて、過度の緊張感の連続によって負っていく、心の傷。

もしマイクが軍人だった父親ハンクを誇りに思い、同じ軍人になることに崇高な理想を抱いていなければ、他人の痛みを知る優しい心の持ち主ではなければ、そして・・・。

この悲劇が起きなかったのかもしれません。

日本人にはなかなか想像できない精神状態なのかもしれません。

それでも、声高にではなく、静かに、でも痛みや怒りを伴って、告発していく。

そんなハギスの人間ドラマが、また一つ、誕生したのではないでしょうか。

(満足度:★★★★、オススメ度★★★★)

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