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オススメ!映画紹介『光州5・18』鑑賞

518ほんの30年前に、隣りの国・韓国で、実際に起きた10日間を描いた映画です。

1980年5月、朝鮮半島の南側に位置する全羅南道・光州。 タクシー運転手のミヌは、幼い時に両親と死別し、高校生の弟ジヌと二人で暮しながら、ひたすら平凡な日常を生きてきた。ジヌと同じ教会に通う看護師シネに思いを寄せ、思春期の少年のようにドギマギしながら、ジヌを交えた3人でのデイトの約束を漕ぎ着ける、純情な青年。
しかし、そんな彼等に、思いもよらない凄じい事件が発生する。
武装したデモ鎮圧軍が大学周辺を占拠し、無実の市民を暴行し、殺していったのだ。
目の前で、友人や恋人、家族を失った光州市民たちは、政府が「市民の死傷者はゼロ」と発表したことから、退役将校出身のフンスを中心に市民軍を結成し、結末も分からない10日間の死闘を開始する。

様々な作品の題材やエッセンスとして取り上げられながら、その全貌を知ることの出来なかった光州事件。

胸を締め付けられた。

自然と涙が流れてきた。

映画というエンタテインメントとして表現する以上、ドラマティックに演出されている部分は仕方がないことだけど、エピソードのパーツ、パーツはモデルになった人がそれぞれいたそうである。

ソウル大学法学部を目指す弟・ジヌを『王の男』のイ・ジュンギが、頭の良さ、正義感の強さが仇になってしまった少年を演じている。

しかし、彼の役目は悲しい事件を多くの人に知ってもらうためのキャスティングであり、その悲しみを受け止めるキム・サンギョンの好演により、とてつもない涙となって溢れてくる。

優秀な弟の成長だけが生き甲斐だった純情な田舎青年が、愛する者のために闘うことを決意する。

いつもは粗野な魅力で魅せるキム・サンギョンが、心優しい兄を見事に表現していました。

そして、敗戦の将として、一人の父親として、自分の意思に逆らい闘う元将校を演じたアン・ソンギの演技も素晴らしかった。

僕の最も好きな韓国映画の一つに、イ・チャンドン監督、ソル・ギョング主演の『ペパーミント・キャンディ』がある。

こちらは、不本意ながら光州事件で加害者側に回ってしまった青年の人生の転落を描いた作品でした。

本作品の中にも、元将校のフンスと元部下だった将校の心の交流や、冒頭で「朝日が左から昇るということは、我々は南に向かっているようです」と作戦の内容を知らずに現地に向かう兵士が描かれています。

当時の韓国国内ではメディア規制により真実は語られることなく、軍事独裁政権崩壊後もタブー視されていたそうである。

被害者だけに悲劇があった訳ではないはずだから、もっと違う角度からも描かれたら、本当の姿が見えてくるのかもしれない。

ラストシーン。
セピア色の人々は全員笑顔なのに、新婦であるシネだけが天然色なのに笑顔ではない。

韓国映画は、決してオバ様達だけのものではない。

多くの人に観て欲しい作品だと思う。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★☆)

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