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愛読書!『雨の匂い/樋口有介』

Amenonioi中年私立探偵・柚木草平シリーズが好きで良く読む作家なのですが、これはもう一つの得意ジャンルである青春モノの一作でした。

癌で入院中の父親と、作業中の事故で寝たきりになった元・塗装工の祖父の介護とビデオショップでのバイトで日々をすごす大学生の柊一は、気まぐれから、祖父の代理で塀塗りを引き受けることになる。
AV女優の李沙との出会い。近所で有名なゴミ屋敷の放火事件。父の生命保険を狙う、自分を捨てた母との関係。
梅雨の陰鬱とした風景と、柊一の心理がシンクロしていく。

期待した推理モノとは違ったのですが、古い洋画の吹き替え版の気障なセリフのような、ちょっとシニカルな会話はいつもの通りでした。

そして、何より、物語の舞台が新大久保駅周辺(百人町)と、自分の生活圏内だったのが、かなり興味を惹きました。

介護や家事、ビデオショップ店長との会話や、塀塗りの依頼主・緒川家の人々との関係、そして、AV女優との恋愛関係と言った普通の大学生の日常が淡々と描かれていきます。

しかし、その裏(と言えば良いのかな)では、青年が心の奥底に抱く狂気とも呼べる感情が、爆発していきます。

何人もの人の死が、日常生活と同列に淡々と描かれているのが、印象的です。

ここには犯人探しはないし、多分、犯人は見つからないのだろうなぁ。

いつもとは少しだけ異質な感じのするミステリーでした。

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