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『その名にちなんで』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Sonona在米インド人による映画というのが、まず珍しく、目を引きました。

ニューヨークに留学中のアシュケは、インドの学生だった時に、大規模な鉄道事故に遭うが、ロシア人作家ニコライ・ゴーゴリの本を握り締めた指が動いたために発見されたという過去を持つ。
両親の勧める見合いで結婚したアシマを連れて、ニューヨークでの新婚生活を始める。頼る人もない困難な異国での生活の中で、夫婦の間に男の子が誕生する。インドでは生まれてしばらくは正式な名は付けずにニックネームで呼ぶのが普通だが、アメリカでは出生届を出さねばならない。アシュケは自分にとっては奇跡を起こした名前である「ゴーゴリ」と名付ける。
それから歳月が流れ、高校生になったゴーゴリは、自分の名前を嫌うようになり、改名を決心するようになる。そして、若手建築家として自立し、白人の恋人との自由な日々を謳歌するゴーゴリは、自分の名前に託された父の深い思いを知ることになる・・・。

名前をキーにして、「親の愛情の深さに気付けず、後になってから理解していく子供」という普遍的なテーマがあって、更には国、人種、文化のギャップと、それを超えて生きていく人たちの姿が描く手法は面白いと思いました。

自分は日本で生まれ、日本に生きる、日本人だから、なかなか理解するのに難しい部分はあるのかもしれませんが、生粋のインド人でありながら、アメリカで生まれ育ち、ロシア人の名前を持ち、まるで家族のように当たり前に接してくるインド人のコミュニティの中で生きていたら、アイデンティティ・クライシスに陥るのかもしれませんね。

だからこそ、自分は自由の国の住民なんだと、気張って見せたりしてしまう。

そんな中で、夏休みに4人でインドに帰省した時、子供たちはアメリカでの生活を恋しがるのだけど、タージマハルで、その壮大で圧倒的な建物を目前にした時の表情が印象的でした。

何だかんだ言っても、やっぱり、インド人(映画では「ベンガル人」と言っていた)なんだなぁ・・・。

しかし、主人公(?)のゴーゴリの女運のなさはスゴイですね。
身内の不幸で意気消沈の彼に「来週からの旅行は約束通り行こう」と言い放つ、わがままでKYな白人女、革新的な考えを持つ同郷の女性との、アツイ恋愛と手痛い破局。
これらの痛い経験を経て、彼がこの後どういう人生を送っていくのか興味が湧きました。

そして、出逢って間もない男と共に見知らぬ異国にやって来て、アメリカ文化の中で戸惑いながらも、強く生きていくアシマの強さも印象的。

「アシマ」とは、ヒンズー語で「境界なし」という意味なのだそうですが、インドとアメリカという国を超え、ヒンズー文化とアメリカ文化の境を超えて生きた女性と言う意味と受け止められます。

【名は体をあらわす】の通り、その何ちなんだのは、ゴーゴリではなく、母親の方なのかもしれませんね。

ラスト、少女時代からの夢だった伝統音楽の世界に飛び込んでいくのも格好が良い。

30年という結構長い時間を一気に飛ばしていくので、途中、若干エピソードとして弱いかなぁ、という部分もなくはないのですが、結構好きなタイプの作品でした。

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★☆)

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