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『椿三十郎』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Tsubaki脚本が黒澤明監督のオリジナルとほぼ同じというのが、まず驚きました。

森の中の社殿に井坂ら9人の若侍が上役の汚職を暴くために集まっていた。そこへ社殿の奥の間からよれよれの紋付袴姿の一人の浪人が現れ、大目付菊井の策にはめられたことを見抜き、社殿を取り囲んだ刺客を次々に返り討ちにしていく。
一行は、井坂の伯父で城代家老の陸田の屋敷に急ぐが、既に家老は何者かに誘拐されていた。監禁されていた陸田夫人と娘の千鳥を救い出し、若侍の一人寺田の家にかくまった。寺田の家は、椿屋敷と呼ばれる庭を持つ黒幕の次席家老・黒藤邸の隣家にあった。

オリジナルはきちんと観たことはないのですが、三船敏郎さんがカリスマ性を持った浪人で若者達を引っ張っていくイメージだったので、観るまでは織田裕二とは重なってこず、どうかなぁ、と思ったのですが、観てみると意外にハマっていました。
分かり易く言うと、困った人を見ると放っておけない熱血男の青島が、そのまんま時代劇に出て来た感じでした。

同じ脚本でも、撮る人と演じる人が違えば、解釈は異なるということですし、その時代、その時代に相応しい演出があって良いと思います。

昔の時代劇の殺陣は、数十人を一気に切り刻んでいくのだけど、本当は刃先に血や脂が付くと切れ味が悪くなるので、優雅に切り刻むことなんか出来ず、切った相手の懐から刀を盗んで、次の相手を切る、とか、リアルな殺陣になっていました。

三十郎の宿敵・室戸半兵衛役のトヨエツは気障で格好良かったです。
森田監督の意図として、江戸時代の侍には少なからず男色の気があり、室戸が生涯で唯一認めたと言って良い三十郎へは、友情以上のものがあり、それが行き過ぎて執着したということですかね。

一番、笑えたのは、佐々木蔵之介さんの演じた【押入れ侍】。
完成後、色々なリサーチをかけて、小中学生のリアクションが一番大きかったのが、このキャラクターで、テレビ用のCMでは彼を中心にまとめたバージョンも作ったのだとか。
おいしい役ですし、絶妙なタイミングで出てきます。

おっとりした箱入りの家老夫人を演じた中村玉緒さんも、テレビのバラエティで見せるコントと紙一重の微妙な感じでしたが、上手いと思いました。

若侍のリーダー的存在の井坂を演じた松山ケンイチ君も、頼りなさ気で、特に三十郎にお伺いを立てるタイミングは絶妙でしたが、もう少し大きな役で見たかったかなぁ。
でも、オリジナルでは、若かかりし日の加山雄三さん、田中邦衛さんが若侍を演じていましたから、大役と言えば大役なのですが・・・。
プロデューサー角川春樹さんからの評価は、『大和』では【◎】、『蒼き狼』では【△】だったみたいですが、今回はどうだったんでしょうか・・・・?

汚職の黒幕を演じた小林稔侍さん、風間杜夫さん、西岡徳馬さんは、時代劇スリーアミーゴズっぽくて最高でした。
特に小心者の竹林を演じた風間さんは、常に金平糖を携帯してして、動きが不審!
家来役が伊藤克信というのも、笑えました。

主演の織田裕二、トヨエツもさることながら、脇役たちのアンサンブルの妙が楽しめます。

オリジナルを知っている人も、知らない人も、必見かな。

(満足度:★★★★☆、オススメ度:★★★★☆)

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