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『オリヲン座からの招待状』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Orion舞台が昭和30年代ということで『ALWAYS』に被ってしまうのですが、続けて観てしまうと技術を駆使いしてその時代を再現した点では見劣りがするものの、古き、良き、伝統の映画の香りがする素敵な日本映画でした。

昭和30年代の京都。滋賀から京都に出てきて無一文になった留吉は、小さな映画館【オリヲン座】の館主・松蔵に強引に弟子入りし、映写技師としての修行を始めた。
数年度、松蔵が肺ガンで亡き後、師匠の年の離れた妻のトヨと共に、映画館の経営を引き継ぐことにした。
周囲からその関係を非難されながらも、純粋に心を通わせ合い、映画館を守り続けるふたりだったが、映画産業の斜陽化など、時代に翻弄されていく。

宮沢りえって、いつからこんなに雰囲気のある女優になったのだろうかと、改めて思いました。
10代の頃の彼女の登場は、ほぼ同世代の僕らとしてはやっぱりセンセーショナルだったし、その後、すったもんだあって、現在があるわけで、そう考えると感慨深いものがあります。
本当に美しく、強く、純粋な日本女性を見事に演じています。

そんなこと今更なのですが、彼女ってハーフなんですよね。
でも、最近は本当に日本の女性って役をやらせたら、彼女ほどハマる女優もいないのだから不思議です。

そして、もう一方の主人公である留吉を演じる、加瀬亮君が素晴らしい。
天涯孤独な無一文の青年が、松蔵夫妻に出逢い、映画(【写真】と呼ぶ)に情熱を傾け、師匠の年上の未亡人に秘めた想いを抱きながら、寄り添って生きている。
不器用なふたりって感じが良く出ていた。

このふたり、どこまでもプラトニックな関係という描き方なのですが、三枝監督がかなりこだわりを持って演出したそうです。

若い男女、しかもお互いに好き合っている男女が母屋と映画館とは言え同じ敷地内で生活をしていて、何もないことはあり得ない、と考えるのが一般的なのかもしれませんが、このふたりだったら、そういう関係にならないかもしれない、いや、なって欲しくない、って一種の願望ですかね。

男って、バカみたいにロマンチストですからね。
理解できるなぁ、と思いました。
本心とは正反対のことを口にしてしまったり、留吉のトヨを見つめる視線とか、蚊帳の幕を通してのラブシーン(?)は、うん、うんって頷いてしまいました。

松蔵を演じた宇崎竜童さんは粋で、う~んと年の離れたトヨが愛したのも納得できる格好良さでした。

物語は、原田芳雄さん扮する老年になった留吉が、映画館を閉めるために最終上映会のチケットを、当時わが子のように可愛がっていた近所の子供たち、やがて成長して結婚しているのですが、に招待状を送り、ふたりが留吉たちに思いを馳せるという形を取っています。

最初は、加瀬君と原田さんがイメージ的に全く結びつきませんでした。
終盤に現在の物語に戻った時、周囲に「すんません。すんません。」と腰の低い老人の演技を見て、原田芳雄ってスゴイ!と思いました。
無骨な原田さんが、異様に線の細い加瀬君とつながって見えてくるから、不思議です。

また、この幼なじみ同士の夫婦、現在は東京で別居中なのですが、自分達の原点に返ることで離婚に踏み切ろう、としています。
余り背景が語られない夫婦関係を、樋口可南子さん、田口トモロヲさんが、微妙な演技で見せてくれます。

世間からは師匠の奥さんを寝取った男と風評され、それを引け目に感じながらも、夫婦同然の間柄ながらも純粋に慕いつづけてきた男と、周囲に何を言われようとそれをガンと跳ね除ける女の強さ。

セリフも少なく、チョットした表情や仕草だけでそれを表現した、加瀬亮、宮沢りえは、タダ者ではない。
そう再確認出来る、作品でした。

三枝監督曰く、このふたりは同じ空気の匂いがする、と。
分かるような気がします。

しかし、浅田次郎ってスゴイですね。
これで何作目の映像化なんでしょうか?

(満足度:★★★★、オススメ度:★★★★)

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受信: 2007年11月23日 (金) 10時30分

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