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『マイティ・ハート』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Mightyheartブラピ・プロデュース×アンジー主演ってことで話題になっていますが、そんな夫婦漫才(?)的なところで語られるべき作品ではありません。

ここ数ヶ月観た中で、一番ズシーンと来た作品でした。

9・11の記憶も新しい2002年1月。パキスタンで実際に発生した米国人ジャーナリストの誘拐事件を描いた、被害者の夫人で自身もフランス人ジャーナリストのマリアンヌ・パールさんが書いたノンフィクションが原作。当時、マリアンヌさんは妊娠5ヶ月という大事な時期に、この事件に遭遇したのでした。
テロリストの取材のためパキスタンのカラチに滞在していた米国の新聞記者・ダニエルとキューバ出身のフランス人で自らもラジオ局に籍を置く妻のマリアンヌ。
知人のツテで宗教的指導者の要人とのアポイントを取り付け、カラチ市内のレストランに出掛けたダニエルが消息を絶ち、数日後にテロリストがインターネット上に犯行声明を発表する。
妊娠中のマリアンヌは、テロリストに誘拐された夫の安否を心配するが、マスメディアの取材攻勢に対してはジャーナリストとして気丈に振舞っていた。
パキスタン国内の新聞紙上では、「勤務する雑誌社がCIAにテロリストのリストを提出したことでスパイと疑われた」とか、同僚であるインド系女性と行動を共にしていたことからインドのスパイと報じられるなど、憶測が飛び交っていく。

監督のマイケル・ウィンターボトム氏は、興味本位の旅行から誤まってテロリスト収容所に収容されてしまう若者をドキュメンタリータッチで描いた『グアンタナモ』を撮った監督。

非常に好きな作品だったので、ハリウッドと手を組んでも、そのテイストを引き継いでいたのが嬉しかった。

事件があったカラチ市内を現地の俳優が走り回る姿は、緊迫感に溢れ、スリリングで非常に興味深かったです。

アンジェリーナ・ジョリーの熱演は素晴らしかった。
セクシーさを出すでも、アクションを売りにするでもない役というのは、珍しいというのもあるかもしれませんが・・・。
愛する夫の生還を信じながらも不安一杯なのに、ジャーナリストとして冷静に状況を判断し、気丈に振る舞い、生まれ来るわが子の母としての強さも表現している。
すごく微妙な匙加減で複雑な心理を演じ分けていて、正直、こんなに出来る女優さんだとは、思っていなかったです。

何よりドキュメンタリータッチの作風を壊していなかったのが良かったのではないでしょうか。

そりゃあ、彼女のようにインパクトのある人が演じるよりも、アフリカ系フランス人という現実に近いキャスティングにした方が真実味は増すのかもしれませんが・・・。

でも、多くの人に観てもらいたいテーマですし、それに応えて【客寄せ】以上の演技を見せていると思います。

事件発生から遺体が発見されるまでの1ヶ月間が描かれますが、マリアンヌさんは一度は出国するものの、子供が生まれる前に事件を整理したいと、臨月近くに再び入国、取材してノンフィクションにまとめたのだそうです。
女は強し、ですね。

テーマとしては重く、苦しいものですし、根底に宗教観(イスラム教とユダヤ人の関係とか、マリアンヌは仏教徒?なのかな)も流れていて、決してデートとか娯楽で観るものではないかもしれませんが・・・。

(満足度:★★★★☆、オススメ度:★★★★☆)

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「マイティ・ハート 愛と絆」★★★ アンジェリーナ・ジョリー、ダン・ファターマン 主演 マイケル・ウィンターボトム 監督、ブラッド・ピット 製作 アメリカ、2007年、108分 世の中の「悪」について 考える。 自分から見たものが 誰でも等しく同じではな...... [続きを読む]

受信: 2007年12月12日 (水) 19時59分

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