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『呉清源 極みの棋譜』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Go『春の誘い』や『青い凧』などで有名な田壮壮の久々の新作は、台湾のチャン・チェンを主演に【囲碁の神様】と呼ばれる天才・呉清源の半生を描きます。

1928年、北京で囲碁の天才少年と騒がれたひとりの少年が来日する。その少年・呉清源は当時14歳、のちに昭和の日本囲碁界で一時代を築き上げ、“囲碁の神様”と崇められた実在の棋士である。
日本の棋士たちを打ち破り、瞬く間にトップに躍り出るが、厳しい勝負の世界に身を置く、天才故の孤独や、日本が突き進んでいく戦争という時代の中、家族との別れ、新興宗教に精神の拠り所を求めたり、戦後も交通事故の後遺症に悩まされたり、波乱に満ちた、幾多の困難を乗り越える姿が描かれていく。

正直、有名な棋士という名前ぐらいしか存じ上げず、現在も90歳を過ぎて伊豆の方に住まわれているということも知りませんでした。

中国映画でありながら、舞台はほとんど日本ですし、俳優も多くは日本人、しかも演技のしっかりできる人、柄本明、松坂慶子、大森南朋、伊藤歩、野村宏信・・・1シーンだけの出征する青年の林泰文君まで、を押さえてあるところがスゴイと思いました。

特に、親友であり、最大のライバル・木谷実を演じた仁科貴さん。
事件とかあったので久し振りに観たという印象だったのですが、お父さんの拓ボン(故・川谷拓三氏)によりソックリになってきて、演技も良かったですよね。
他の出演者が、メジャーな方ばかりで、ある意味で一番大きな役どころを彼が演じていたのが、良かったのかな。

チャン・チャンは、ほとんど日本語のセリフで演技をしています。
ただたどしく、また、少ないセリフであるからこそ、物静かで落ち着いた雰囲気を醸し出し、思慮深い孤独な天才棋士という設定を引き立てていました。

何でも、碁を打つ姿は、完コピを目指したそうですが、パンフレットにあった川端康成(野村君が演じています)との写真と映画は、何処までソックリに再現しているかは、是非確認していただきたいシーンです。

戦前から戦中の重く、暗いシーンが中心なので、画面も全体的に暗めなのですが、日本家屋の持つ「光を差し込ませるための工夫」など、当時の日本の風景を再現しようという監督のこだわりが見られました。

実はこの映画、数年前に日本で撮影が終了した後、中国でのシーンが何シーンか残っていたそうなのですが、資金難で作業が頓挫したのだそうです。
その後、低コストを求めて、台湾で編集作業、タイでプリントという過程を経た、非常に難産な作品なのだそうです。

ある意味、目にすることが出来ただけでも、素晴らしいこととも言えます。

ただ、前振りらしきものがあって、「で、オチは?」という話しの切れ方(終戦のシーンは、すごくシュールでしたし・・・)や、チャン・チェンは坊主頭で丸眼鏡という格好(晩年は髪が少し伸びて、白くなる)なので、時間の流れが良く分からなかった。

面白いと言った類の作品ではありませんが、味わい深い作品ではあります。
題材的に年齢層はかなり高めでした・・・。

(満足度:★★★☆、オススメ度:★★★)

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