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20th東京国際映画祭<第6日目>

毎晩、レイトショーまで観ていたので、正直ツライ・・・。
今日は1本のみの鑑賞になってしまいました。
カザフスタンの『草原の急行列車』も観たかったのですが・・・。

○潜水服は蝶の夢を見る(特別招待作品)
カンヌ映画祭で監督賞を受賞したフランス映画。

雑誌『ELLE』の編集長のジャン=ドミニク・ホビーが、脳梗塞で病院に担ぎ込まれた。
意識がはっきりしてきて、医者や看護士に囲まれているのは分かったのだが、自分の言葉が通じない。
しかも、身体全体が動かない。動くのは左眼の瞼だけ。
そんな彼に言語療法士が、瞬きでコミュニケーションを取る方法を教えてくれる。
死んだ方がましだと考えていた彼に、明日への希望が生まれ、瞬きだけで自伝を綴ることを思い立つ。
身体は不自由でも、左眼と想像力と記憶だけは動くのだから。

主人公は、43歳の有名ファッション雑誌の編集長。家庭人で自由人。
粋でオシャレの代名詞みたいな男で、妻と3人の子供との関係も良好で、90歳を超えて闊達な父親、そして愛人、病気に倒れてからも医療担当者や編集者などに囲まれて、愛情に溢れる人生を送った伝説の男。
病床にあっても、シニカルでありながら、ユーモラスな発言をする彼が、モテモテなのは納得できるものがありました。

実は、この役は当初、ジョニー・デップにオファーがあったそうです。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』の準備中だった彼は、髪型や髭の形を変えることに制限があり、断ったそうなのですが、彼が演じていたら、全く別のものになっていたでしょうね。
(良くも、悪くも。)
しかし、代役(?)で主演を射止めた、マチュー・アマルリックは、この伊達男の役に合っていたと思います。

基本的には淡々と物語が語られていくのですが、心を動かされるシーンもありました。
例えば、少々健忘症気味で家から外に出れなくなった父親からの電話のシーンや、誕生日に病院の近くまで足を運びながら逢いに来られなかった愛人からの電話で、療法士も編集者も不在だったために、本妻が取り次がなければならなくなったシーンなんかは、本当に切なかったですね・・・。

話せず、身体も動かないが、それでも僕は確実に生きている、という主人公の姿勢も素敵ですが、20万回のウィンクに付き合った女性編集員の根気強さ、献身的な優しさは驚愕モノです。
映画の中では多くは語られていませんが、彼の生き方に尊敬の念を抱き、彼女もまた彼の虜となった一人なのでしょうね。
羨ましい限りです。

『潜水服は蝶の夢を見る』って、非常にポリティカルで不思議なタイトルですが、そのイメージを見事に映像化していて、分かりやすい!って頷いてしまいます。
原作もその語り口が面白いらしいのですが、まさに映画的な描写だったと思います。

楽しいとか、嬉しいとかいう感情とは別物だし、体温の熱さも全く感じられません。
本当に静かで、淡々としていながら、語り口にユーモアがあって、【生きる】ってことを雄弁に訴えてきて、やっぱり秀作なのは、間違いないです。

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