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20th東京国際映画祭<第3日目>

3日目です。

休日出勤の代休が溜まっていたので、お休みをいただいちゃいました。

月曜日の映画館は・・・意外に混んでいました。

それでは、本日のラインナップは、次のような感じでした。

○帰郷(アジアの風)
『スパイシー・ラブ・スープ』や『こころの湯』で日本でも有名なチャン・ヤン監督の新作。
【中国のチャップリン】とも呼ばれる爆笑王チャオ・ベンシャンを主演に、友人の遺体を背負って、深センから重慶までの道のりを笑わせて、泣かせてくれるロード・ムービーです。
中国国内で報道された実話をモデルにしているそうですよ。
旅の途中で出逢う善い人、悪い人が主人公に負けず個性的で、胡軍、夏雨など、日本でもお馴染みな豪華俳優が華を添えています。
主演のキャラが強いのでそれに負けない力のある俳優、そして、ロードムービーという形なので短い期間で撮影と移動を繰り返すため、演技指導の必要のない俳優という2つの観点からキャスティングされたそうです。
今回はインターナショナル・バージョンを上映。ヨーロッパでは100分以内にまとめなきゃダメと言われ、主人公を助ける警察官と髪結いの女性の恋を応援するエピソードをバッサリ切ったのだとか。
逆に、中国公開版では、街の真ん中で物乞いをするシーンはリアルすぎるという理由で、検閲でカットされたそうです。
出てくる人が善人だけでなくて、小悪党も混ざっているのが良いですね。
「今回はコンペでないので、少し気が楽です。」と、昨夜は遅くまで遊び歩いたと言う、監督なのでした。

○レカドス食堂(アジアの風)
今回の映画祭上映作品の中では、最年少監督(26歳)、最低予算(日本円で200万円相当)によるフィリピン映画は、なかなか練られている作品になっていました。
親の決めた婚約を破棄して使用人の子供を妊娠・出産して家を出た祖母。
最初の男に利用された挙句に捨てられ、その後は取っ替え引っ替えの奔放な母。
母の行き方にあきれながら、日々ボケていく祖母を看病し、本当の愛を見つけようと懸命に生きる娘。
親子三代に渡り、スラム街の簡易食堂を切り盛りするオンナ達の物語。
詳細に描かれるフィリピンの家庭料理のレシピは、とにかく美味しそう。
時間の都合で昼食を取っていなかったので、空きっ腹には非常に厳しかった!
【レカドス】とはタガログ語で【原材料】の意味。
女性、そして人生そのものを料理に例え、素材を厳選し、下準備で磨いて味を引き出し、様々な素材や各種のスパイスを重ね合わせて(様々な人たちを交流して)、最高の料理(人生)を作り上げていきなさい、というメッセージが伝わってきます。
これが20代の脚本というのは、素晴らしい!

○ファラフェル(アジアの風)
レバノン映画、初体験です。
【ファラフェル】とは、アラブ諸国で食べられる豆のコロッケのことらしいです。
内戦集結から15年。平穏な日常を取り戻した若者達は夜な夜なパーティに繰り出しているが、実際には誘拐事件や暴力、失業など直ぐ隣りで暗く深い闇が共存している。
前半は、ベリーダンス風なテクノサウンドに合わせて、日本と何ら変わらない若者文化が描かれていて、アラブ諸国の作品にしてはセクシャルなシーンは珍しいなというのはあったものの、少々退屈してしまいました。
が、後半、車を傷つけられたと言いがかりをつけられ、暴力を受ける辺りから、俄然面白くなっていきます。
報復のために夜の街をさまよい、アルコール依存症の中年男性から拳銃を購入する。
そんな、危機迫るシーンが連続すると、なぜだかコロッケが空から降ってくる・・・。
スマトラ島でファラフェルの雨が降って、島民が空腹から15日間生き長らえることが出来た、という逸話の引用だそうです。
暴力を暴力で報復するのは一番手っ取り早いけど、暴力の連鎖はいつか断ち切らなければならなくて、その象徴としてアラブでは非常に日常的な食べ物を持って来たそうです。
年の離れた弟の汚れない寝顔と共に締め括られるラストは印象的。
それにしても、パーティでは女性に振られトイレに閉じこもり、捜索隊として出動するが友達とケンカして車から降ろされ、家で床に着いたと思ったら叩き起こされ、そのまま放置される親友が気になっています。

○ダンシング・ベル(アジアの風)
昨年はマレーシア特集が組まれていましたが、今年はディーパク・クマーラン・メーナン監督の新旧2作のみなのです。
それでも、インド系マレーシア人一家とそのコミュニティーの日常を描く本作品には、興味深いものを感じました。
父親が家を出て、路上で花屋を営む母親が女手一つで一家を支える母子家庭。
小学生の長女は、健気に母親の仕事を手伝い、将来はダンサーになることを夢見ているが、家庭の困窮状態では習わせることが出来ないでいる。
17歳の長男は高校を中退し、洗車場でのバイトもサボりがちでプラプラしながら、いつも何かに苛立っていた。
そんな家庭で描かれる事件は、同級生からラブレターをもらって校長先生に呼び出されたり、母親が風邪を引いて生活が苦しくなったり、ドリアンとビールの食べ合わせが悪く、下手をすると死ぬと聞いた長男が離れて暮らす父親にドリアンを届けたり、どうでも良い内容ばかり。
それが、預かっていた上得意客のベンツで事故を起こしてしまう辺りで一変する。バイクを買うために貯めた貯金をはたいても足りず、悪友に悪事をそそのかされ、そして、その友人も事件に巻き込まれて死んでしまう。
その理由が描かれていないところが、想像力をかきたてられます。
とにかく過剰に盛り上げることを一切せずに、ただ淡々と事実を伝えていくだけなので、非常にリアルな印象を受けました。
この後、家族のカタチが少しずつ、良い方に変わっていくのだろうな、というところで終わる演出は良かったです。
この作品も良質な感じだったので、昨年、特集された監督たちの新作も観てみたかったなぁ。

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