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『サッド・ヴァケーション』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Sad_vacationこれ、スゴク良い。
今、一押しです。

同じ北九州という舞台にした、11年前の『Helpless』と7年前の『EUREKA ユリイカ』という別々の作品が、交差したら・・・。

中国からの密航者の手引きをしていた健次は、父親と死に別れた5歳のアチュンを引き取るために組織から足を洗う。
夜の街で運転代行を始めた健次は、客として出逢った高級クラブのホステス・冴子と付き合い始める。
そんなある夜、運送会社の社長・間宮の車を運転したことから、5歳の時に自分を捨てた母親・千代子と再会する。復讐心を秘めながら、間宮運送の仕事を手伝うために、母親と暮らし始める。
その家には、バスジャック事件の生き残り梢、免許剥奪された元・医師の木島、ヤクザに追われる後藤や中西等、他に行き場所を失った、一癖も二癖もある個性豊かな人々が、まるで家族のように生活していた。

浅野忠信、宮崎あおい、オダギリ・ジョー、板谷由夏・・・。
現在の日本の映画界を牽引する演技派俳優が集結していて、2時間16分という時間が、アッ、と言う間でした。

特に石田えりさんの演じた母親は強烈。

実年齢では、息子役の浅野君は34歳で、えりさんは47歳で、親子役としては「?」なのですが、そんなことは超越していました。

母親は強い。
女は強かだ。
そして、怖くなるほどに、深~い愛情を持っている生き物なんだ。

と教えられたような気がします。

いつもはヘタウマな演技が味な浅野君ですが、北九州弁のセリフのせいか、普通に見えました。
ある意志を持って母親の懐に入っていきながら、呑み込まれ、母親の意図する通りに行動してしまう優しい男に見えましたよ。

宮崎あおいは、『ユリイカ』の梢役を引き継いでいるのだけど、母子の確執を描く本流のストーリーの中では脇に周っていて、勿体ない感じもしました。
しかし、こういう陰に入った役を雰囲気を持って演じさせたら、上手いんだよなぁ。
ただ、『NANA』や『ただ君』みたいな明るい感じも観たい!

サイドストーリーとして、父親の葬儀の後に姿を消した設定なので、彼女を探す光石研さん、斉藤陽一郎さんのコンビは絶妙。
特に、『Helpless』で健次の親友、『ユリイカ』で梢の従兄という3作品の共通キャラの秋彦を演じる斉藤さんは、間宮家の世界観を語らす上でのポイントだったかな。

そして、オダジョーは完全に脇に徹していて、自由にノビノビしています。
皮肉屋なので、イチイチ引っ掛かるような口調で話していて、嫌な奴なのかなぁ、と思ったら、仕事サボって景色のきれいなところ連れて行ってくれたり、実は梢のことが気になっている様子もあるし・・・。
オダジョー好きは必見です。

福岡出身の板谷由夏の演じる冴子も、高級クラブのホステスにしては擦れてなくて、可愛い女でした。
復讐に燃える男の全てを愛し、受け止める、情の深い九州女。
でも、出番、少ないかも・・・。

石田えりさんのバリバリの母親像、新しいいのちを宿す板谷由夏の美しさ、そして、いつか母になる宮崎あおいが見せる母性・・・。

ラストの方で、オダジョーの身を隠すように、抱きかかえるあおいの表情はマリアのように清らかで、美しかった。

そして、火葬場で「男の人たちは、勝手にしたらええんよ」と笑う石田えりさんは美しく・・・やっぱり怖かった。

青山真治監督は、ベネチア映画祭でのインタビューで、いつかまた、浅野君、オダジョー、あおいを使った作品をつくりたい、と言ったそうで、それはそれで楽しみですね。

前作は知っていれば越したことはないけど、知らなくても十分に理解できる筋書きになっています。

DVD借りて、おさらいしよ。

(満足度:★★★★☆、オススメ度:★★★★)

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投稿: 「旬の話題ブログ」スタッフ | 2007年9月18日 (火) 16時36分

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