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『包帯クラブ』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Houtai夏休みが終わって、各社、良い映画を出して来ますね。

奇才・堤幸彦監督が取り組んだギャグなしの青春映画。

悪くないなぁ、この感じ。

関東のある地方都市。母親に代わって夕飯の支度中に手首を切ってしまった女子高生のワラは、周囲からリストカットと決めつけられて傷付くが、自分も知らず知らずの内に他人を傷付けているのかもしれないと気付き、更に傷付く。
無意識の内に病院の屋上のフェンスの上に立っている時、入院中の少年ディノと出会い、フェンスに包帯を巻いてもらうと、なぜだか心が癒された。
そして、その行為に共感した親友のタンシオ、ギモ等が集い、“包帯クラブ”を結成する。
心が傷ついた人からメールを受け、その現場に包帯を巻きに行き、撮った写真を返送する活動を始める。
しかし、ネットに誹謗中傷するメッセージが投稿され、社会的にも問題視され始め、活動中止を余儀なくされるのだが・・・。

インチキ関西弁で奇行を繰り返す柳楽君が「大人になったなぁ」というのと、それまで別に何とも思ったことのなかった石原さとみの演技が良かったですね。

これまでの彼女は、一生懸命な気張った役が多かったけど、どちらかと言うと受動的な巻き込まれ型の女の子で、こんな芝居も出来るんだ、と思いました。

何より情報番組の二人のインタビューが結構笑えたので、和気藹々な雰囲気で作られていたことが分かります。

柳楽君は実年齢とほぼ同じ年齢の役も、同世代の俳優に囲まれての作品も、珍しいですからね。

人一倍明るく見えるディノも、世界中に存在する、靴の無い子供やゴミの山の中に生活する子供、寝ている間に爆弾が飛んでくる街に生きる子供・・・彼等を理解したいという名目による一種の自傷行為と言える奇行を繰り返します。
それには、どうしようもない位に辛い事件に関わっていて、まだ処理しきれていないことが、明らかになっていく。

原作は読んでいませんが、前半の導入部は淡々として単調な印象がしますが、後半は一気に盛り上がっていきます。

登場人物のそれぞれが大なり小なりの心の傷を抱えていて、そこから一歩踏み出すだけでなくて、他人の痛みを知り、理解しようと努力していく過程が素敵だ。

二人以外にも、「バッカじゃないの。包帯、巻いて、何になるの?」と言いつつ、輪に加わるタイミングを失い、迷走する優等生のテンポを演じた関めぐみと、失恋ばかりしていて悲しくても嬉しくても泣き虫なタンシオを演じた貫地谷しほりは、若手の中では相変わらず良い演技を見せてくれる。
年上の浪人生で、インターネットが得意な田中圭君は、いつもの通りのいい人っぷりでした。

全員が「青春」していて、キラキラして見える。

(「青春が終わった」というと悲しいので・・・、)
「思春期を過ぎた」世代の僕達にとっては、「そうだったよなぁ」と懐かしくもあり、忘れていた傷が癒されてくるかもしれません。

原作者の天童荒太さんが「映画化を前提に小説を書くことはしないのですが、もし続編を書くことがあれば、今回の6人の演技が素晴らしかったので、アテ書きすることになってしまうような気がしている。今後は今よりずっと忙しくなっているだろうから、それでも出演したいと思わせる作品を書かなければいけないとプレッシャーを感じています」と答えています。

少しでも興味を持っている方は、是非とも観に行って下さい。

(満足度:★★★★☆、オススメ度:★★★★)

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