« 『長江哀歌』鑑賞(オススメ映画を紹介します) | トップページ | 『阿波DANCE』鑑賞(オススメ映画を紹介します) »

【舞台鑑賞】『ロマンス』@世田谷パブリックセンター

世田谷パブリックセンターって良く聞くけど、行ったことがなくて、何処だろうと思ったら、三茶の駅ビルの中にありました。

名前からして、世田谷区の公共施設なんですよね。
うらやましいですね。
グローブ座を小さくした感じでした。

さてさて、井上ひさし氏作の『ロマンス』を観てきたのですが、キャストが大竹しのぶ、松たか子、段田安則、生瀬勝久、井上芳雄、木場勝己の実力と人気のある6人ということしか予備知識はありません。

で、パンフレットを買って、席で読んで、ロシアの作家で医師でもあったチェーホフの一生を描いたヴォードビル(歌や踊りを交えたコメディ)ということを知りました。

そして、少年期をヨッシーが、青年期を生瀬さん、壮年期を段田さん、晩年を木場さんが演じ分け、大竹さんが女優で妻のオリガ、松さんが看護士として、作家の秘書としてチェーホフを支えた妹のマリアを、そして、その他の登場人物も全て6人で賄うという贅沢な舞台なのでした。

まず、大竹しのぶさんの舞台は一度観てみたいと思っていました。

やっぱりこの人はスゴイ!

第1幕では警察官や、リウマチ患者の老婆、自殺した下級役人の未亡人と、金の亡者達を非常にコミカルに演じていて、笑かしてくれます。
そして、第2幕から登場するオリガですが、女優の役なので舞台の上で劇中劇の役になり切るシーンがあります。

パチンッ!

とスイッチの入る音が聞こえたかと思うような、変わりよう・・・。怖い・・・。

晩年では、ものすごい剣幕でケンカしたかと思えば、仲直りしてケラケラ笑っていて、オンナだったり、少女だったり、表情がコロコロ変わります。

松さんは、最初に警察官で出てきましたが、その後はマリアをいう女性の生涯を演じていきます。

この人も、映画やテレビの軽い感じの役も良いけど、舞台女優なんだなぁ、と改めて思いました。

資産家の息子に求婚されて心ときめいていたのに、でも兄のために生きると決意してキリッとした顔に変わる。
自殺する患者が遺書の送り先に選ぶ心優しい看護士で、学校の地理歴史の教師で、兄のマネージャーとして渉外担当もするキャリア・ウーマン。
親友が兄と結婚して、敵対心と言うか嫉妬した時の表情はかわいいし、それでも家族をまとめようと健気だし。

最後にチェーホフに、遺産や著作権料で、故郷やモスクワ、サハリンの図書館を本で一杯にするように託される列車のシーンは、感動してしまいました。

そして、井上芳雄君、ヨッシーですが、松さんと共演した『モーツァルト!』、『ミス・サイゴン』は、違う組み合わせでしか観られなかったので、このコンビの舞台を観るのは本当に念願だったのでした。

ミュージカルじゃない舞台で、ヨッシーがどこまで演じられるだろうか、と注目していたのですが、チェーホフ少年、マリアに求婚する資産家の息子、ド近眼の研修医、舞台演出家など、時にマジメに、時にコミカルに、なかなか好演していて、楽しめました。

歌は上手いのは分かっていますが、ヤッパリ聞き惚れちゃいましたね。
グッと引き込まれるというか、癒されました。

井上ひさし氏の詩は、ミュージカルとは違って、言葉とメロディが寄り添うようで、聴きやすいと思いました。

生瀬さんは、チェーホフ青年こそマジメに演じていましたが、その他の役、泥棒、レストランのボーイ長、トルストイ(!)は本当に楽しそうでした。
『トリック』の矢部っぽいノリのある役もありつつ。
特に、老人のトルストイは、志村けんのコントのようでもあり、誰も聞いていない言葉遊びを連発して、最後はかなりまともなことを言っているのにギャグにしか聞こえないのが可笑しくて、面白かったです。

段田さんは、ヨッシー、生瀬さんが背が高いので、同一人物で大丈夫か?と思ったのですが、バトンタッチしたら違和感がなかったのが不思議でした。
最初は肉襦袢を着込んだ役人気質の警察官で、最後はチェーホフの恩師でもある担当医。
この人も上手いですよね。

木場さんは、桜中学の校長先生のイメージが強かったのですが、舞台中心の俳優さんということは知っていました。
メインになるのは最後なので、チェーホフの父親、医学校の教授、悪徳弁護士、絵院劇学校の先生と演じています。
重みがあるし、渋いですね。

勝手なイメージではロシア文学の抒情詩的な作家と思っていたチェーホフが、本当に描きたかったのは、ヴォードビル。
悲劇と隣り合わせにある喜劇をすくい上げたかったことを知りました。

作品のヒントが誕生する瞬間に立ち会ったり、災難の中でも「○○でなくて良かったなぁ」という喜びを見出そうとする姿勢だったり。

井上ひさし氏の脚本が、そんなチェーホフの思いを具現化していると思いました。

行くまでは客層が読めなかったのですが、演劇好きのオバさまから、会社帰りのOL、サラリーマンに、若い男子も結構多かった!

もし、チケットが入手できるのであれば、是非に!

|

« 『長江哀歌』鑑賞(オススメ映画を紹介します) | トップページ | 『阿波DANCE』鑑賞(オススメ映画を紹介します) »

舞台・ミュージカル」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/83452/7566974

この記事へのトラックバック一覧です: 【舞台鑑賞】『ロマンス』@世田谷パブリックセンター:

» 男性ワードの記事 [生瀬勝久]
生瀬勝久 [続きを読む]

受信: 2007年8月22日 (水) 23時48分

» マックスマーラ [マックスマーラ]
マックスマーラはキャリアウーマンに支持されるクールなデザインのファッション ブランドです。マックスマーラのファッションでバッチリ仕事をキメてみませんか? [続きを読む]

受信: 2007年8月27日 (月) 22時26分

» 悪徳弁護士の特徴・手口 [悪徳業者の選別]
提携弁護士(悪徳弁護士)の見分け方 金融系悪質業者や提携弁護士(悪徳弁護士)につかまっては借金問題を解決するどころかますます泥沼にはまってしまいます。そこで提携弁護士(悪徳弁護士)を見分けるために、提携弁護士の特徴を知っておくことが肝心です。 [続きを読む]

受信: 2007年8月31日 (金) 03時18分

« 『長江哀歌』鑑賞(オススメ映画を紹介します) | トップページ | 『阿波DANCE』鑑賞(オススメ映画を紹介します) »