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『怪談』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Kaidan『リング』シリーズの中田秀夫監督が5年振りに日本映画に復帰。

今回は、古典落語の『真景累々淵』を題材にした【時代劇+ラブストーリー+ホラー】な作品でした。

中田監督らしいホラーっぽいシーンもあるのですが、日本らしい「因縁」を軸にしたドラマで、死して尚も愛する男を縛り付ける女の情念を黒木瞳さんが美しさの中に狂気を含む演技を見せています。

結局は、究極的に怖いのは幽霊なんかよりも、人間の【業】とか【欲】の深さなんだなぁ、と思える作りで、純粋なホラー映画ではなかったように思います。

心優しい美青年の煙草売り・新吉が、立ち振る舞いの艶やかな凛とした【年上の女】三味線の師匠・豊志賀と、江戸・深川の路地ですれ違い、燃えるような恋に落ちていく。
実は「罪のない町人を斬りつけた侍の息子」と「父親を殺された娘」という因縁で固く結ばれていることは誰も知らない。
新吉が豊志賀の家に転がり込み、季節が夏に変わる頃、豊志賀の愛は嫉妬の塊となっていった。諍いから美しい顔に傷を負った彼女は「このあと女房を持てば必ずやとり殺す」という遺言を残し、自害する。
その後、江戸を逃げ出した新吉と、彼に想いを寄せる女達は過酷な運命の渦に呑み込まれていく。

歌舞伎のプリンス・菊之助が演じる新吉は、確かに美しい顔立ちをしているが、同性の男子から見ると、どうしてこの優男に出てくる女性たちが次々と惚れていくのか、良く分かりませんでした。
じゃあ、他の誰が演じたら納得したか、と問われても、困ってしまうのですが。
菊之助君もインタビューで「父親から引き継いだ因縁と、母親から愛されなかった生い立ちが、女性に甘えたい、愛されたいとなった」と考えて、演じたと言うことでした。
これは何となく分かる。

最初の犠牲者・お久役の井上真央ちゃんは【旬】の輝きがあるけど、江戸時代の奥ゆかしい女性よりも、わがままで暴言し放題の美少女の方がやっぱり合っている。
僕の中では『キッズ・ウォーズ』での生稲アッコの娘のままなもんでね。

妻の座を射止めながら、どんなに愛しても、振り向いてもらえない、お累役の麻生久美子さん、実姉の愛人を横恋慕しながら、献身的に見守り続け、決して「愛している」とは言わない、お園役の木村多江さんは、安心して見ていられます。
木村さんの薄幸な女っぷりはいつものことながら、ホラー作品で呪うことも、呪われることもないのは珍しいですよね、この人の場合。

そして、唯一、新吉に惚れずに手玉に取る悪女・お賤を演じる瀬戸朝香。
深川芸者なので、他の田舎出身の女たちにはない、都会の女の艶やかさとか、粋な着こなしとか、シャキッとした話し方とか、他の女優達との比較という点でメリハリが効いていました。

彼女は豊志賀の恨みの対象ではないのですが、「愛する人を危機に陥れる人間として排除しなくちゃいけない」ってことなのだとしたら、この女の【愛】ってメチャクチャ深いなぁ、と一人納得したのでした。

そう言えば、『リング』の時に「幼少の記憶として、日本家屋は怖い」という拘りを見せていた監督ですが、豊志賀の三味線教室や新吉の家など、特に夜は照明がなく、蝋燭の明かりだけでボワッとした感じを上手く使っていたと思います。

ファンとしては、もっとオドロオドロシイ世界を期待しちゃうのですが、中田監督曰く、「この世界に入った時から、ラブストーリーを撮るのが夢だった」ということなので、これはこれで良かったのかな。

題材が題材だけに年齢層は高めなとこも目立ちましたが、まぁ、ホラー映画ファンもいて、客層はゴッチャになっていた感じかな。

(満足度:★★★☆、オススメ度:★★★☆)

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