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中国映画の全貌2007③『追憶の上海』

3本目は、1930年代の上海を舞台に、共産党革命家の愛と死をを描いた『追憶の上海』です。

1936年。“東洋のパリ”と呼ばれた上海には、世界各地から人が押し寄せ、社交界の華が開いていた。
その日も、アメリカ人青年医師のペインは、ダンスホールで友人のクラーク大佐に秘密警察官・ハオミンを紹介されていた。
激しい雨の降る夜、美しく清楚な中国人女性・チウチウがペインのアパートを訪ねてきて、「病気の主人の診て欲しい」と懇願する。連れていかれた部屋には、身体中に多数の銃創と手榴弾による傷を負った、どうみても若いチウチウの夫には不釣合いな40代のジンと呼ばれる男が、発作で暴れないように結束されていた。
翌日、ペインが薬を届けに部屋にやって来ると、共産主義者の協力者として逮捕されそうになるが、駆け付けたハオミンの取り成しで釈放される。
昨夜の二人は何者だったのか・・・。

一応、レスリーの主演作ということですが、アメリカ人医師の目を通して描かれる回想録の形を取っているので、恋敵(?)でもあるレスリーは出番も多くなくて、ちょっと脇に置かれている感もありました。

それでも、革命家としての演説シーンでのカリスマ性ある姿や、発作で亡き妻の幻覚に苦しむ姿、自分が意識のない状態で献身的に看病してくれるチウチウへの同志以上の愛情を示そうとする姿、などなど見せ場は沢山ありました。

レスリー以外では、元・共産党員という経歴を持つ警察官で、やがてチウチウの生き別れの父親と分かるハオミンを演じたタオ・ツァオルー以外は初めて観る顔ばかりでした。

チウチウを演じたメイ・ティンは、アジア人らしい容姿の持ち主ですが、ペイン医師が彼女に惹かれていき、最後には犯罪者である彼女の娘を引き取るに至った心境というのが、彼の回想録でありながら読み切れなかったのは残念だったかな。

でも、最初は本当に尊敬の念だけでジンに近付いていったはずなのに、亡き妻への想いに捕らわれた彼の最愛の妻の代役を務めることで、最終的に本物の愛情に昇華していく過程は、舞台出身というだけあって説得力のある演技を見せていました。

また、途中に挿入される詩が印象的です。

太陽は昇った
一羽の鷹が飛び立ち
突然、空中で止まった

だったかな?

確かに、そう思えばそういうシーンの描写として、間違ってはいないように思えてきますね。

この時代を題材にした中国映画は少なくありませんが、登場人物が入り組んでおらず、また、アメリカ人の視点にすることでイデオロギーの対立という点に力点が置かれていないので、我々日本人にも非常に分かりやすい作品になっていたのではないでしょうか。

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