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『眉山』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Bizan徳島には行ったことがないので、行ってみたくなりました。
阿波踊りの季節に・・・。

『解夏』など作家としても才能を見せる、さだまさし氏の原作の映画化。

東京で働く咲子は、母・龍子が入院したと聞き、徳島に帰郷する。担当医からは「末期癌で余命僅か」と宣告され、小児科医の寺澤の支えもあり、看病を続けていた。やがて、私生児である咲子は、まだ見ぬ父親と、気丈な母の歩んだ人生を知ることになる。

映画は10年振りの出演という宮本信子さんの演技は見事の一言。シャキシャキの江戸弁で「神田のお龍」を活き活きと演じています。生意気な看護士や、曖昧な言葉で誤魔化そうとした寺澤医師をピシャリと一喝するシーンはスーッとしました。

松嶋菜々子さんは、旅行会社のキャリアウーマンで、出だしの部分は僕の見たい松嶋菜々子像だし、いかにもお龍さんの娘っぽい女性に見えて、嬉しかったのですが、母親が癌と知り弱気になっていくと一気にトーンダウンしてしまうので、残念。
でも、クライマックスの阿波踊りの群集の中での演技、隣りの母親と話し、視線は群集の中を泳ぐようにある人物を探しているアップの表情。セリフじゃないけどうまい、キレイ、犬童監督、ありがとう、と思いました。

『メトロ』のキレた男、『7月通り』の王子様も良いけど、心優しい普通の男をナチュラルで爽やかに演じている大沢たかおさんは、すっごい格好良いです。絶対になれないけど憧れます。
基本的には母娘の物語なので、出番は少ないのですが、松嶋さんと二人で並んでいると二人とも長身なので、すごく画になっていました。

肉親の死、医学発展に身を捧げる献体など、重い設定もありますが、結ばれなかった両親の愛を知り、目の前にある大切な人と寄り添う娘の愛があり、もっと大きく深い家族の愛を描かれています。

躍動感溢れる阿波踊りのシーンは必見ですが、道路の真ん中を流れる踊りの列が、結ばれなかった男女を、そしてあの世とこの世を隔てる大きな河のように見えました。
祭りっていうのは、そもそもが神に近付くための行為ですから、そこに向こうの世界を感じたのは当然なのかなぁ、と一人納得しています。

一発屋の演歌歌手が啖呵を切られたお龍さんの一言が忘れられず、俳優として成功後も徳島に足繁く訪れたように、いつも凛とした「神田のお龍」の姿が目に焼き付いています。

(満足度:★★★★☆、オススメ度:★★★★)

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