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『東京タワー』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Tokyotower全ての作品に接したわけではないですが、この映画版が一番好きになりました。

もう誰もが知っているストーリーだけに、敢えて「泣きのドラマ」にしなかった松尾スズキの脚本と松岡錠司監督の演出が良かったのかな。ラストには泣かされるの分かってるんですもんね。

笑って、泣ける、老若男女誰もが安心して鑑賞できる良質な日本映画です。
観る前は「男は、奥さんや恋人とは観に行かない方が良いのかな」と思ったのですが、それほどマザコンぽく描かれておらず、割とリアルな親子関係だったように思います。

オダジョー史上初と言っても良い位に、ボクことマー君は何処にでもいそうな普通の青年。これを淡々と演じられるオダジョーの演技力は大したモンだと思いました。濃ゆいキャラの方が絶対に演技しやすいですもんね。
原作と映画は別物と分かっていても、オダジョーがリリーさんに見えてきたシーンがいくつも有るから不思議でした。後半のファッションは格好良い、と言うか、全身ピンクみたいなのが似合うのはオダジョーだけなんだろうなぁ。

松たか子さんの演じたミズエは、映画のために松尾氏が創ったキャラクター。多分、観客に一番近い目線で母子を見ていたのだと思います。オカンに抗癌剤治療を進めるシーンや、亡き骸に横たわるマー君に忘れていた伝言をするシーン、そしてラストシーン・・・好きなシーンには松さんも収まっていたような気がします。
松さんが「私は東京生まれなので、この作品の本質は理解できていないのかも」と話していて、そこは僕と共通するところなので、自然にミズエにシンクロしたのかもしれませんね。

そして、この作品は樹木希林さんなしには語れません。本当に見事です。マー君から「大学を留年するか、中退するか」と電話をもらった時の「何で頑張れんかったやろ」という落胆から、「新しい仕事が見つかったけん、マー君も頑張りんしゃい」と瞬時にパワフルなオカンに転じます。「オトンが見舞いに上京する」と聞いて恥ずかしがる仕草はカワイイと思いました。
樹木さんが演じたのは、リリーさんのオカンでもあり、映画の中のマー君のオカンでもありますが、日本人の誰もの最大公約数のオカンだったのではないかと思えました。
それだけに闘病のシーンは、近未来の自分を見ているようで、つらい部分もありましたが、あそこに時間をかけて描いているところが良かったと思います。悶え苦しむ演技は相当の体力を使ったのではないでしょうか。
東京タワーの見える信号でオダジョーと手をつなぐシーンは印象的でした。あの場所で手をつなぐ親子が増えたりしたら、面白いなぁと思いました。

さて、若い頃を演じた内田也哉子さんは演技は正直に言って下手でしたが、母子だけあって表情や仕草はそっくりなので、違和感はありませんでした。也哉子さんの出演シーンの撮影が先だったらしく、樹木さんは病気になる前のシーンでは、也哉子さんに似せるために、肉襦袢を着たり、口調を少しのんびりさせて演じていたそうです。さすがベテラン女優と思わせるエピソードです。

この母子以外だと、寺島母子がまず思い浮かびましたが、キャラ的には向いていない感じがするので、正解だったのでしょう。
場外では「我が家の“時々、オトン”が・・・」とリップサービスしているのも「◎」です。

オトン役の小林薫さんは、これまでの作品のイメージだと「バンカラさ」とか「破天荒」な感じが足りないかな、とも思いますが、絵も模型も最後まで作れなかったり、他の女と暮らしている何となく頼りない亭主とすれば適役だったのではないでしょうか。
原作とは違っても、映画の中では、こちらの方がリアルなような感じがしました。

友人達も勝地涼、伊藤歩、平山正行と若手演技派で固め、仲村トオル、小泉今日子、宮崎あおい等多彩なカメオ出演も楽しみなところなのですが、母子の物語の邪魔にならないギリギリのところで抑えてあったと思います。

是非是非観ておきたい作品と思います。

(満足度:★★★★☆、オススメ度:★★★★☆)

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