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愛読書!「無名/沢木耕太郎」

Mumei旅、サッカー、映画など、興味の対象が似ているので、読み始めた沢木耕太郎さんですが、この作品は突然の病に倒れた父親を見葬る息子の数ヶ月間を描いた闘病記です。

購入して半年以上、「本棚の肥やし」になっていましたが、読み始めたら一気に読めてしまいました。「老いた家族を看取る」というテーマが、年齢的に他人事ではなくなりつつあることも理由の一つでしょう。

このタイトル、無名な男の人生の軌跡という意味で付けられそうですが、沢木さんのお父さんの人生はすごくドラマティックなのです。お祖父さん(お父さんの父親)が一代で築いた会社の次男坊だったのに、終戦後に兄が事業に失敗、財産を失い、無職で、妻が一家を支えて三人の子供を育て上げたと言う、一合の酒と一冊の本を愛した大男。倒れる前にもっと話を聴いておけば良かったと後悔し、晩年に興じていたらしい俳句を一冊にまとめて私費出版する過程で、父親の人生と向き合うことになって行きます。

子供の頃から父親との会話が全て敬語で、我がままを言ったりしない一線を引いた関係に、「父子とはこういうものだ」と納得している点が一般的ではなく、興味を引きます。それが、長年の夢だった小説を書き始めた時に、主人公の少年が自分を騙した中年男を殺す予定で筆を進めていくと、どういう理由か父親殺しの展開になっていき、「そうか本当は自分は父親から解放されたかったのか」と気付いたというエピソードはドキッとしました。

我が家の父子も多くを語らないというか、恥ずかしいのもあるし、年取って怒りっぽくなってウザかったりもするのですが、若かった時の武勇伝とか、聞いてみたい気がしました。まぁ、沢木さんのお父さんのように、風流の分かる父親ではありませんけど・・・。

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