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『輝く夜明けに向って』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Yoakeティム・ロビンスの出演作が続いてしまったのは、『あなたになら言える・・・』を観た直後にこの作品のポスターを見てしまったからでした。もっと早くに観ておけば良かったと反省しています。

1980年代の南アフリカのアパルトヘイトによる黒人差別の問題を実話をベースに描いた社会派映画。ティム・ロビンスは家族を愛する優しさと、政策の間違いに気付きながらも、人権を無視した方法で黒人を拷問しなければならない二面性を持った白人男性を演じています。ラストのアパルトヘイト終結後の抜け殻状態になった時の風情まで含めて、やはり上手いです。

主人公のパトリックは黒人でありながら、若くして富を築き、会社でも現場監督という地位を得て、愛人を囲うという生活を送っています。政治活動とは無縁の存在ですが、タイミングが悪く、製油所爆破犯に仕立てられ、拷問を受けます。自分への拷問には耐えるのですが、家族にまで手が及んだ時に我慢できずに罪を認めますが、供述と現場に矛盾があり、逆に無実が証明され、釈放されます。しかし、愛人問題で美人で明るい妻の嫉妬心から夫婦の関係がこじれ、反政府運動に加担していくことになります。参加の理由が政治的な信念ではなく、家庭の問題というところがリアルかな、と思いました。

拷問とかテロとか過激がシーンが続きます。暴力が暴力を産むという「暴力の連鎖」への問題提起と言えますが、この作品のテーマをより分かりやすい言葉で言えば「許すこと」だと思います。夫婦が互いの不実に対して、時が経てば許し合えるように、互いを許し、認め合うことが出来れば、暴力の連鎖は産まれないないのではないか、と。まぁ、分かってはいるけど、それが出来ないから、今も国家レベルの挑発はなくならないのですが。

前半から活動に参加するまでは、登場人物たちの心情を丁寧に描いているのですが、逮捕・収監され、恩赦で解放されるまでの数年間はモノローグだけで終わってしまいます。活動中の疑問とか葛藤、収監中の心の動き、「許すこと」に至る道程が示されていたら、もっと良かったと思いますので、その点では非常に残念です。

最後にモデルとなった男性の現代が映し出されますが、難しいことを乗り越えたようには見えない、非常に明るいどこにでもいるような普通のオッサンでした。まぁ、希望を感じられるエンディングになっていると言えますが・・・。

たまには正義とか、テロとか、マジメに考えるきっかけとしては、良い作品なのではないでしょうか。(満足度:★★★★、オススメ度:★★★☆)

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