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『あなたを忘れない』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Wasurenai恥ずかしながら、ボロボロにやられてしまいました。

2001年1月26日、JR新大久保駅で線路に転落した男性を救出しようとして自らも亡くなってしまった韓国人留学生・李秀賢(イ・スヒョン)さんの青春を描いた映画。

初日舞台挨拶があるということで、韓流ファンのオバサマや在日韓国人の方、それから中高生が多いので意外な感じがしたのですが、恋人役を演じたハイカラのマーキー目当てだったのですね。ほぼ満席でした。

JR新大久保駅は我が家からも近い(と言っても、結構遠い)駅なので、よく利用していると言うこともあり、当時のことはよく覚えています。

でも、それ以上に、僕にとっては思い入れの深い事故でもあります。

僕は、事故の半年前まで会社でアジア諸国からの研修生を受け入れる窓口をしていました。前年7月に人事異動があって、その仕事からは離れたのですが、最後に担当したのは3人の韓国人でした。

当時は、日本も『シュリ』が話題になった程度で、まだ『冬のソナタ』の放送もされておらず、ハングル教室に申し込んだら、「平日夜間コースは人数が集まらないので、昼間のコースにして下さい」と言われて、「見て分かる通り、普通の会社員なので無理です。」なんてこともありました。韓国の方でも、日本の文化開放は途上で、日本の映画や歌はアングラで熱狂的なファンはいるものの、ほとんど知られていない状況でした。

日本で公開された韓国映画はほぼ鑑賞し、定期的に韓国に行ってはK-POPSのCDを10枚も買って来るという僕は、完全に変人扱いでした。変われば変わるものです。

言葉や意思の疎通に悪戦苦闘しながらも充実した日々を懐かしく思い、「形は違っても、彼らと日本をつなぐパイプでありたい」と考えていた丁度その時に、ニュースで事故を知り、ものすごくショックでした。

そして、事故に巻き込まれた同世代(当時、僕は29歳、スヒョンさんは26歳)の韓国人青年も「アジアの架け橋になりたい」と話していたと聞き、「彼の遺志を継ぐようなことが、出来ないだろうか」と真剣に考え、居酒屋で会社の先輩に「会社を辞めて、留学生受け入れのような仕事をしたい」と話したこともありました。当時は新設された部署に着任したばかりで辞められる状況でもなく、先輩にもなだめられ、結局6年経った今も同じ会社に勤めているのですけどね・・・。

そんな訳で、映画の前半のほんわかした雰囲気にあっても、言葉が通じなくて「ヤレヤレ、困ったぞ。でも、まぁ、いっか。」という表情をするスヒョン役のイ・テソン君の表情は研修生が見せた表情そのものだったし、関係ないのに「風間さん、ロックの精神です」とアツク口出しされて、ちょっとウザッて顔をする金子貴俊君は当時の自分に重なってきて、全然泣けるところじゃないのに、ジワッと来ていました。

富士山登山や交通事故で日本不信になりかけたというエピソードが上手く織り込まれており、事実として知っていたので、この辺からはもうヤバイ感じでした。

主演のイ・テソン君は非常に真っ直ぐな演技で「スヒョンさんって、こんな青年だったのかもしれない」と思わせてくれます。初演技のマーキーも自然な感じで良かったし、金子君もいつもより全然格好良かったです。

スヒョンのルームメイト役は、『トンマッコル』にも出ていたソ・ジェギョン君で、コミカルな感じで笑わせておいて、ラストの「駅に行かなくちゃ」というセリフは心に響く、天才子役と呼ばれた演技を見せてくれます。マーキーの父親役で竹中直人さんが出演していますが、今回は笑わせるだけでない、チョット深みもあるオイシイ役になっていました。

また、スヒョンさんが音楽を愛していたということで、素晴らしい音楽も多く使われています。何より、ラストに名シーンと共に流れるマッキー槇原敬之さんの主題歌が、またヤバイ。年を取って、涙腺弱くなったのかな。

さて、僕たちはラストシーンの後の出来事は報道を通じて知っています。ご両親の役が、韓国の名優ジョン・ドンファン氏(『冬のソナタ』)とイ・ギョシンさん(『美しき日々』)だっただけに見たかった気もするのですが、そうしたら涙、涙で完全にノックアウト状態になってしまったでしょう。そこを敢えて、スパッと切ってしまうことで、スヒョンさん本人を印象的に残すことに成功していると思います。

それが、関係者が口をそろえて言う、「悲しい結末だけど、希望に溢れる物語」なのですね。

そのメッセージをしっかり受け止めたいと思います。6年前に抱いていた「アジアの架け橋」になるという夢を思い出させてくれした。今年36歳になろうとする今の僕に、何が出来るか分からないけれど、何かカタチのあるものにしてみたいなぁと思いました。ほんのチョットの勇気をありがとうござました。

ハイカラ目当ての若者達の目に、彼の生き方がどう映ったのか、興味津々な僕なのでした。(満足度:★★★★★、オススメ度:★★★★★)

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「映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

『あなたを忘れない』
http://movie.maeda-y.com/movie/00858.htm
日本人の被害者、関根さんの不在ぶりに泣けた
主人公はハンサムな青年で、日本人も日本文化も大好き。韓国では、日本の曲の演奏を(日本嫌いの客が引くからと)しぶるバンド仲間を強くたしなめるなど、すばらしい人格者だ。温厚で頭もよく、愛情深い。悪いところがひとつもない人物である。
ところが迎える日本人ときたら、一部友人を除いてひどい描写だ。たとえば交通事故を起こしたタクシードライバーが、ひいた相手が韓国人だからといってぞんざいな態度になったり、ましてや血を流す韓国人を置いてその場から立ち去ろうとしたりなど、いくらなんでも非現実的すぎる。
致命的なのは、あの事故のとき同時に線路に降り立った日本人カメラマンの関根史郎さんの扱いのあまりのぞんざいさだ。

投稿: よしずみ | 2007年1月28日 (日) 17時40分

第一、この物語は唯一の真実が「電車に撥ねられる」くらいで、あとはフィクションです。
(李さんには韓国に彼女いたんじゃないの?なぜ日本に彼女が?)
更にそのフィクション部分も何か
「韓国は優れている(が、日本は劣っている)」ような描写がありますし…。

また本気で腹が立ったのが、同じように救助活動をし、そして同じように無くなられた「関根さん」の存在。
本当に無いようなもので、この差はなんなのかと憤慨を隠せません。
公式には「故・李秀賢さん、関根史郎さんにこの映画を捧げます。」とあるのに。

※変えられるかもしれませんが(1月15日現在)この映画の公式HP
のキャスト欄を見てください。関根さんの扱いがどんなものかこれだけでわかります。

なぜ同じ扱いにしないのか?
これこそ差別であり、死者を冒涜する行為じゃないのでしょうか。
こんな事をする製作スタッフはやっちゃいけない一線を越えてしまってると思いますね。

結論…見る価値ありません。
日本人犠牲者を無視し、韓国人犠牲者を英雄に見立てた不公平な映画です。
ただのお涙頂戴で見るなら結構でしょう。
が、実話で、更に犠牲者は1人だけじゃない事を思えば、見れたもんじゃないですね。腹が立つだけです。

他の方も言っていたように、ただのプロパガンダ映画ですよ。

投稿: 李さんが電車を止めようとした事実は無い | 2007年1月29日 (月) 13時01分

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