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シネマート・シネマ・フェスティバル in 新宿(第5日)

会社から歩いて行けるとは言え、日参している僕って一体・・・。

○朴大統領暗殺(原題『その時、その人々』)・・・ハン・ソッキュ主演のパク・チョンヒ大統領殺害事件を素材にした政治風刺ブラックコメディ。韓国公開時より話題になっていて、遺族からの上映差止請求が出て、請求は通らなかったものの、不適切な部分はカットして上映する判決が出て、音声だけを残し、真っ黒な画面のまま上映されたと聞いていました。今回はインターナショナル版での上映かな、と思っていたのですが、無画面シーンのまんま上映されました。

1979年10月26日、中央情報部のキム部長は、ヘリコプターに席がなく、大統領に同行出来なかったので、病院に行き、主治医から肝臓の状態が良くないので、休暇を取るように勧められる。執務室で大統領の晩餐会の様子を聞いたキム部長は、しばらく考えに浸るが、すぐに随行秘書のミン大佐と本日の晩餐会の会場となる宮井洞へ向かう。

キム部長の片腕・チュ課長は、大統領のスキャンダルもみ消しなど頭が痛いことを収拾する毎日にうんざりしていた。そんな時に突然の晩餐会開催を告げられ、ゲストの女性を交渉して、晩餐会場に到着する。

晩餐会が始まり、警護室長の傍若無人な態度が気に障ったキム部長は、何気なく部屋を抜け出て、チュ課長とミン大佐を呼び出し、大統領殺害計画を知らせる。「私が片づけるから支援しろ」というキム部長の命令に、チュ課長はためらいつつも、警備室に行き、部下達に武装を命じる。忠実な部下ヨンジョ、素朴なジュニョン、非番にもかかわらず出てきた警備員ウォンテ、そして海兵隊出身という理由だけで指名した運転手サンウク。理由もわからずチュ課長の命令に従って各自の位置で待機する部下たち。緊張したまま銃声を待つのだが・・・。

事件自体は『大統領の理髪師』などでも取り上げられているので知っていますが、日本人には、韓国におけるこの事件の重要性が今一ピンと来ないので、どう受け止めて良いのか微妙なところがありました。

閣僚が大統領が入院した病院に行列して行くところや、陸軍の門番が陸軍参謀総長の顔を知らずに通さなかったり、ゲストに招かれた女性の態度が横柄だったり、突っ込み所は多いのですが、笑い所が分からず、観客も多くありませんでしたが、終始シーンとしていました。(僕はニヤニヤしながら、観てましたけど。)これは韓国の映画館で観ないと面白くないかもなぁ、と思いました。

陸軍本部の玄関に長くて急な階段があるのですが、ミン大佐が階段を降りて来るのに、転げ落ちるんじゃないかと思うようなローアングルから取ったシーンは、軽い高所恐怖症(ビルの4~5階位の高さが一番怖く、東京タワーの展望台位になると逆に好き)の僕は怖かったし、形勢が逆転し、転落していく様子を示しているのかなと思いました。

それから、相手の悪口を言う時は、なぜか日本語になるのですよね。あの年代の方は日本語教育を受けていたでしょうけど、何を意味していたのか、気になりました。

この作品は、“暗黒の時代”とも言うべき80年代へ突入するきっかけとなった事件を風刺すると共に、現代の政治に対する風刺もあるのかな、と思いました。

チュ課長役のハン・ソッキュは、仕事にうんざりし、訳の分からぬ内に巻き込まれ、戸惑いながらも後始末に奔走する、その瞬間に運命に翻弄される人々の1人を熱演しています。取調や部下に対する強面の表情や、晩餐会場の血の海を見た時の戸惑いの表情、逃がすつもりが誤まって海軍時代の先輩の警護室員を射殺してしまい絶望した時の表情、どれも上手いな、と思います。

興行的にはかつての勢いはなくなったものの、演技力は常に安定しており、この作品の評価も高かったと聞きます。近年はキワ物的な個性の強い作品が多いですが、『八クリ』辺りのナチュラルな作品でも観てみたいものです。でも、個人的には『グリーンフィッシュ』が一番好きなので、この作品での役柄は近いものがあったのかもしれません。

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