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『王の男』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Manofking平日の夜に観たのですが、結構入っていましたね。この夏『グエムル』に抜かれるまで歴代興行成績トップだった、国民の4人に1人が観たという話題の韓国時代劇です。

16世紀初頭。幼なじみの旅芸人チャンセンとコンギルは、国一番の芸人になるという決意を胸に漢陽の都にやって来た。時の王・燕山君が妓生出身のノクスを妾にし、連日連夜遊び呆けているという噂を聞きつけた2人は、宮廷を面白おかしく皮肉った芝居を演じ、たちまち民衆の人気を得る。

しかし、彼らは王の側近の重臣に捕らえられ、「王が芝居を見て笑わなければ死刑だ」と言い渡される。王は幼い頃に母親を毒殺されてから心を閉ざし、人前で笑ったことがなかった。そんな王が、一目でコンギルの美しさに魅入られ、達者な演技に爆笑し、臣下の猛反対を押し切って彼らを宮廷に住まわせる。最下層の身分から、宮廷芸人にのし上がった2人だったが、いつしか王を取り巻きたちの陰謀と策略に巻き込まれていく。母親の死の真相を知った王は狂気に満ちた行動に走り、ノクスは王の心を奪ったコンギルへの恐るべき復讐を計画する。果たして、2人の運命は・・・。

日本では「素朴な奈良か、質実堅剛な鎌倉」の寺社が落ち着くのですが、韓国の宮廷や寺院も何気に好きなのですよね。朱塗りの柱と原色の色使い、京都の神社仏閣を更に派手にした感じというのでしょうか。とにかく、宮廷で原色が行き交う芝居のシーンはキレイの一言に尽きます。

やはり朱塗りの赤が目に飛び込んできますが、王の衣装の青も王の悲しみを描いているようで印象的でした。

日本では美貌の女形を演じたイ・ジュンギに注目が集まっていますが、カン・ウソン、チョン・ジニョンという名優の演技が素晴らしかったですね。韓国では、3人の同性愛的な部分が話題になったそうで、原作になった演劇バージョンは更にそうなのだそうですが、映画版では、それぞれの同姓愛とは異なる「情」が描かれていたと思いました。

特に、歴史上実在した暴君として有名な燕山君は、その笑顔も暴力性も、母親の愛に飢えた子供のように見えました。コミカルから真面目な役まで多才なチョン・ジニョンは、複雑な人物像を上手く表現しています。ラスト近くに、ノスクのスカートに飛び込むシーン。母親への思慕が深く感じられました。彼自身も「あそこは母親の子宮に戻る、すなわち死をイメージして演じた」と語っています。

対して、チャンセンにしても王への嫉妬の部分もあったでしょうが、芝居のパートナーとして無くてはならないコンギルという存在、そのつながりの部分を感じました。演じたカン・ウソンは『結婚は狂気の沙汰』とか『スパイダーフォレスト』とか、一筋縄でいかない作品が多いですが、ここでも職人系の旅芸人というキャラクターを見事に表現しています。『ウルルン』で韓国の綱渡り修行を見たことありますが、目隠ししてやってしまうなんてスゴイの一言です。

それに妾のノスクも、低い身分から王の愛だけでのし上がってきたけれど、それがなくなってしまえば後ろ盾になるものが何もない、かわいそうな女性ですよね。それに比べて、コンギルは何もしていない。ただそこに立って、微笑み、王に哀れみの目を向けているだけ。その役を存在感たっぷりに演じてしまうイ・ジュンギと言う若者はスゴイのかもしれませんね。

個人的には、王の唯一の理解者となるチョソンという側近の存在が良かったです。心から心配しているから苦言を呈してくれる存在で、旅芸人の二人を宮廷に呼んだのも王や宮廷を変えてくれる力を持っていると信じたから。結局、それが裏目に出てしまった訳で、王がそばにいて欲しいと気付いた時にはいなくなっていた、というのが主人公達の破綻を象徴的に示していました。

ラスト、追い詰められた2人の迫力ある芝居と王のどこか清々しさをも感じさせる表情が非常に印象的です。

関係ありませんが、『チャングム』は、ラストのクーデター後に王位に就く、燕山君の弟・中宗の時代の物語。何となく最初から観直したくなってしましました。(☆☆☆☆☆)

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