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『暗いところで待ち合わせ』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

Kurai1

交通事故が原因で光を失い、引きこもりがちな女性・ミチル。映画の冒頭で父親が急病で失い、親友のカズエ(宮路真緒)と日用品の買い物に出掛ける以外は外に出ることもなく、広い家で一人、何をすることもなく暮らしています。

悲しみと孤独を全身で受け止める盲目の女性を田中麗奈が繊細に演じています。田中麗奈の映画って、『きょうのできごと』位まで観たことなかったのですが、ここ最近は『姑獲鳥の夏』、『容疑者室井慎次』、『幻遊伝』と連続して観てますね。飛びっきりの美人ではないけど、何となく近寄り難い高嶺の花的な存在なのは、映画とCMだけで、TVドラマには出演しないというスタンスのせいなのかな。今回のよく言えば一人で生きる強さを持った、悪く言えば、他人を受け付けない頑固さみたいなのは、キャラに合っていたのかもしれません。

Kurai2対して、日本人と中国人のハーフで、来日して10年近く経つが友人もなく、職場の印刷工場でも溶け込むことが出来ない、常に光の当たらない場所で生きてきた青年・アキヒロ。駅のホームから突き落とされた会社の上司の殺人容疑で手配され、現場となったホームの目の前にあるミチルの家に忍び込み、彼女に悟られないように、ひっそりと生活を始めます。

彼を演じるのは、台湾の俳優、チェン・ボーリン。田中麗奈と共演した台湾映画『幻遊伝』、柳楽優弥君と共演した『シュガー&スパイス』に続く日本語の演技ですが、存在していないはずの存在ですので、セリフは極端に少ないです。それでも、アキヒロの持っている孤独感を表情だけでも表現していますし、日本語のセリフも細かい発音は別にして、心情はしっかり伝わってきました。

光から見捨てられた場所にいる二人が出会い、お互いに存在を認め合うことで成長し、それまで踏み出せなかった一歩を踏み出すまでの過程を、殺人事件の犯人探しというミステリーと、カズエと交わされる障害者の自立をめぐる問題を絡めて物語が展開します。

それまで外に出ることを怖がっていたミチルが、アキヒロのサポートで街を歩くシーンは印象的で、ちょっとしたラブシーンみたいだなぁと思っていたら、監督はそのつもりで撮影されていたそうです。男女間のきわどい感情みたいなのはないのですが、心がほっこりするような暖かな心の交流を感じました。このシーンは好きだなぁ。

物語が非常にゆったりしたテンポで流れているので気がつかないのですが、季節は秋からクリスマスまでの数ヶ月間の話なので、時間の流れは結構速いのですよね。

ミチルの父親に岸部一徳、アキヒロの上司に佐藤浩市、印刷会社の社長に佐野史郎と日本映画界の名優がチョイ役ながら脇を固めています。

乙一さんの原作は読んでいませんが、ストーリーも配役も割りと好みのタイプの作品でした。(☆☆☆☆)

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