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オススメ映画を紹介します(12月・1)

そろそろ「正月映画」と呼ばれる作品も公開される時期となってきました。そんなこともあってか、現在、公開中の作品はどちらかと言うと小粒な感じなのかなぁ・・・。

Tomorrowworld○トゥモロー・ワールド・・・『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』のアルフォンソ・キュアロン監督の近未来サスペンス。でも、『ハリポタ』シリーズは映画館で観たことがない(TV放送、レンタルDVDで観た)のでした。ごめんなさい。

2027年のロンドン。人類の生殖機能が退化し、原因が分からぬまま、子供が生まれなくなって18年が過ぎた。南米で最後に生まれた18歳の少年が事故死した日、エネルギー省官僚のセオは、テロによるコーヒーショップ爆破事件を間一髪のところで逃れるが、絶望感に打ちひしがれる。そんな時に、20年ぶりに再会した元・妻で、反体制運動の同志でもあったジュリアンから、ある少女を国外に逃がすために必要な「通行証」の入手を依頼される。入手した「通行証」がセオの同行が条件だったために、反体制運動の戦闘に巻き込まれ、少女を謎の世界組織・ヒューマンプロジェクトへ引き渡すことになる。そして、ジュリアンに「人類の未来を変える存在」として託された少女は、18年ぶりの人類類の子供を身籠っていたのだった。

ほとんど説明なしに物語は始まりますが、主人公が元・反体制運動の志士であり、前妻との間の子供を失ったために戦意を喪失し、体制側に回ったことが分かります。『インサイドマン』で銀行強盗を演じたクライブ・オーウェンが、人生にあきらめの入った、ちょっとダークな感じを上手く出してました。

映像的には、長回しが効果的に使用されていました。特にクライマックスの収容所での銃撃戦のシーンでは、カメラに飛び散った血糊が付いたまま動き回っていたのが臨場感、緊張感が伝わってきて、印象に残りました。

そして、その直後に続くシーン。全員が戦闘の手を止め、道がサッと開き、少女を見つめる優しいまなざし、構図的にも窓から差し込む光の使い方も見事で、全ての人にとって「待望の子供なんだなぁ」というのが伝わってきました。

先進国が晩婚少子化傾向で人口減少傾向ということもあり、SFと言うよりも、もっと現実的な恐怖を感じられた映画でした。鑑賞後に「次の世代を引き継ぐ子等に輝かしい未来を残してあげたい」と思えれば、映画としては成功ではないでしょうか。(「なら、早く結婚しなさい」と言われそうですが・・・。)(☆☆☆☆)

Photo_4○Mr.ソクラテス・・・韓国で公開された時から観たくて、期待が大きかった分、評価が厳しいモノになってしまったかもしれません。

不良少年がある組織に誘拐され、廃校に軟禁され、強制的に勉強をさせられ、高校卒業検定、警察官採用試験にパスします。やがて犯罪を扱う刑事になり、正義感に目覚めた彼は上司からも目に掛けられる存在になっていきます。しかし、組織が彼等の犯罪を不正に合法化するために警察官に仕立てられたことに気が付き、組織との決別と戦いを決意します。

後半の正義感に目覚め、組織に戦いに挑む流れはスリリングだし、上司との信頼関係も興味深いものがあったので、前半に特訓と交通課に配属されてのエピソードで1時間近く費やしたのは残念。“先生”との交流があったから、後のエピソードも生きてくるのですが、もう少しコンパクトにまとめても良かったのではないかと思います。

いつもは優柔不断な今どきの若者や優男な役が多いキム・レォンが、ワイルドでタフな不良を好演していました。彼のファンならば、オススメですが。(☆☆☆)

Family○ファミリー・・・地味な題材ながら韓国では大ヒットした、反目し合う不良娘と厳格な父親との家族愛をテーマにした作品。

不良仲間の身代わりとなり刑務所に入っていたジョンウンが、3年間の刑期を終えて出所する。そんな娘に父チュソクは冷たく当たる。父は優秀な警察官だったが、事故で片目を損傷し、現在は市場で魚屋を営み、小学生の息子と細々と暮らしていた。

ジョンウンの夢は自分の美容院を持つこと。開業資金の調達のために、傷害事件の真犯人であるチャンウォンを訪ねる。しかし、ナイトクラブを経営する組織のボスに成り上がっいた彼は、3年前の事務所荒らしはジョンウンの仕業だと気付いており、逆に奪った金を返せと要求してくる。同時に父の古くからの友人の医師から、チュソクが白血病を患っていることを告げられる。また、父親の目を傷つけたのは“美容師ごっこ”をしていた幼少の自分だと聞かされ、それまでのわだかまりも一気にとけていく。

しかし、チャンウォンの魔の手が父や小さな弟まで及んでくる。そんな時、不良仲間の一人で、今はチャンウォンの子分と言う立場のドンスから「チャンウォンを殺してくれれば、全て見逃してやる」と言われる。その時、ジョンウンと父親が取った行動は・・・。

ヤクザと難病という韓国映画お得意のパターンですが、チャンウォンがジョンウンに抗ガン剤で抜け落ちた髪を隠していた鬘を投げつけるシーンは衝撃的でした。

主演のスエは、正統的な美人顔ですね。ドラマ界ではチェ・ジウに継ぐ“涙の女王”だそうですが、今回は泣きにシーンでも感情を抑えるハスッパな娘を演じています。キャラに合っているかどうかは微妙ですが、本作で認められて、イ・ビョンホンの相手役など大役が回ってきています。

弟役は『奇跡の夏』や『青春漫画』のパク・チビン君で、本作が映画デビュー作だそうです。重く暗くなりがちなストーリーを明るい方向に引っ張ってくれる、天真爛漫で、小さいながらに健気な男の子を演じていました。「子供と動物には勝てない」と言いますが、本当に一人勝ちな感じで、彼を観るだけでも楽しめるかもしれません。(☆☆☆)

Amaoto○雨音にきみを想う・・・台湾出身のディラン・クォ主演の香港映画です。『ファミリー』の翌日に観たのですが、愛する人をヤクザの攻撃から守るために、組織のボスを刺しに向うというストーリー、主人公が難病で、小さい子供が出てくる等、シチュエーションが似ていたので、不思議でした。これって、やっぱりアジア映画の王道なのでしょうね。

台湾出身の泥棒のチョッカンは、逃走中に路地裏で迷子になった少女を見つけ、自宅まで送り届けることになる。そこで、少女の叔母で、全身麻痺の兄を看護するウィンインと出会い、ひかれていく。彼女たちも同じ遺伝性の病に冒されていて、身体を冷やすと血管収縮が起こり、全身麻痺になると言う。彼等を救いたいと考えたチョッカンは、大金を得るために組織のボス殺しを引き受けるのだが・・・。

兄は元バイオリニストなのですが、発病と同時に娘を置き去りにして妻に逃げられており、障害者介護の問題とか結構シビアな問題がさりげなく描かれています。

ヒロインに扮したフィオナ・シッは人気歌手らしいのですが、前半は兄の介護に疲れ、自らも何時発病するか分からない恐怖と、貧しい生活もあり、すごく不細工な女の子なのですが、チョッカンと出会い、恋をしてからは非常にかわいらしく見えてくるので不思議です。

途中交わされる「海賊」のエピソードは、最後に意外なプレゼントとして登場します。チョッカンは死んだようでもあり、組織から隠れて生きているようでもあり・・・。

華流のドラマで、長身のディラン・クォが気になると言う方なら。(☆☆☆)

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寒さも本格的になってきましたね。 マスクをされている方をよく見るのですが、 みな... [続きを読む]

受信: 2006年12月 9日 (土) 02時37分

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