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『トンマッコルへようこそ』鑑賞(オススメ映画を紹介します)

韓国へ行ったり、東京国際映画祭があったり、と週末を使っていたら、観たい一般映画がたまってしまいました。ということで、会社の帰りに観に行くことにしました。

Tongmakgol『トンマッコルへようこそ』は、2005年に韓国で800万人の動員を記録した大ヒット映画です。ようやく観ることが出来ます。元々は演出家チャン・ジン氏の舞台の映画化で、「韓流スターは出演していないが・・・」と紹介されていますが、僕にとってはチャン・ジン組の顔とも言えるチョン・ジェヨンとハン・シギュン(共に舞台版にも出演)に、若手演技派カン・ヘジョンが絡むということで、十分にドリームチームなのですが・・・。

朝鮮戦争の時代、戦いとは無縁の桃源郷のような村にやって来た北と南、そしてアメリカの兵士達と村人達の交流の物語。全編に流れる久石譲氏の音楽はジブリ作品にも通じる“大人のための童話”をイメージしていたのですが、前半と後半で趣きの異なる作品でした。

前半は評判通り笑えました。にらみ合う南北の兵士たちを放っておいて勝手に普通の生活を始める村人たちの姿は、兵士達の行為(それぞれの正義と言っても良いのかも)が滑稽なものに見えてきて、チャン・ジン氏らしいし描写だと思いました。その後の不発と思った手榴弾が小屋で爆発した時の衝撃と、蓄えていたトウモロコシがポップコーンの雪になるシーン・・・とにかくキレイでした。ここでは天真爛漫に動き回るカン・へジョンの演技が光りました。

イノシシとの格闘シーンは日本映画『スウィングガールズ』の完璧なパロディ(パク・クァンヒョン監督もオマージュだと公言)だし、村人が埋めたイノシシの肉をこっそり食べて、いがみ合う兵士同士が打ち解けていくというのも、「腹が減っていると・・・」的で分かりやすい。収穫祭の夜、すっかり村に溶け込んだアメリカ人の「みんな楽しそうだ。これが人生だよね。」というつぶやきが全てを示していると思う。

しかし、この後に戦争が村に近づいてくる。スミス大尉が事故で不時着した場所に、北朝鮮軍の基地があると思い込んだ連合軍が部隊を送り込んでくるのである。ここからは、いわゆる「泣き」の部分なのですが、僕は泣くことが出来なかったんですよね。

別にストーリーが気に入らなかったわけではないのです。連合軍相手に、思想とか目的とか人種とかを超えて6人で小さな戦いを挑んでいく姿には感動したし、村人達が「出て行くのなら、やって来なければ良いのに」というセリフも、彼等の存在が村にとっては当たり前のものになっていたことを示す良いセリフです。そして、戦争による傷を抱えて、心を閉じていたハン・シギュン演じる南の兵士が、劣勢の中でも「村人のために戦う」ことに、そして共に戦う仲間達に、見せる笑顔が印象的でした。

描かれていた「反戦」というメッセージはしっかりと伝わってきます。でも、映画では語られませんが、朝鮮半島で愚かな戦いをしている頃、日本は戦後の復興の名の下に物資を半島に送り続け、見事に経済大国として発展していく基盤を作り上げた、という事実も忘れてはいけないな、と思ってしまったのです。

今年、1,300万人動員という韓国の興行成績を塗り替えた『グエムル』もそうなのですが、反戦というより、反米感情というのがまずあって、そこにはアメリカに追随する韓国政府への批判的な部分もあると思うのです。それをエンターテイメントとして成立させてしまう力量には関心します。そして、同時に、そこに人口の1/4近い人が飛びついてブームになってしまうと言う「お国柄」というのは、如何に韓国好きといっても理解できない部分だったりするのですが、だからこそ、この国に対する興味は尽きないとも言えます。

日本においては『グエムル』は興行的に成功したとは言い難い結果になりましたが、本作はどうなるのか。難しく考えずに、素直に観て、感動していただけたら、素敵な作品だと思います。(☆☆☆☆)

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