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第19回東京国際映画祭<最終日>

東京国際映画祭も最終日です。1週間、本当に映画三昧で楽しかったなぁ。とりあえず、本日の2本の紹介から。

○My mother is a Belly Dancer・・・アンディー・ラウがプロデュースする香港映画です。団地の文化教室でベリーダンスを習う主婦たちの物語です。日本で言ったら『ウォーターボーイズ』や『フラガール』、韓国映画の『僕等のバレー教習所』みたいな感じかな、と思っていたら、映画の定石通りに進行しないラストに目を引きました。

「社交ダンスなどの場合、パートナーと息を合わせるとか、発表会で披露する必要があるのだけど、ベリーダンスは一人でも踊れるものであるし、別に発表会がなくてもダンスすることで、自分に自信を持てたり、美しくなることが出来る」というのが理由だそうです。中心になる4人の主婦が自分の一番大切なものに気付いていくという話なのです。

リストラされた夫に代わって生計を立てていた主婦が自分も失職してしまい塞ぎこんでいるのだけど、ダンスに出会い、笑顔を取り戻していきます。失職中の旦那が、奥さんがダンスをすることに猛烈に反対する別の男性に対して「妻には笑っていて欲しい」と言うのが格好良かったですし、テーマを具体化していたと思います。若い未婚の母親がハンサム男に失恋し、子守に利用していた男(ラム・ジーチョン)と結婚を決意すると言うのも○。

旦那に反対されて家出までする学歴コンプレックスの主婦が、阻害されていた家庭に戻るのですが、ダンスを通して自信を持てたのは分かるのですが、その辺の心の動きをもう少しじっくり見せて欲しかったかな・・・。旦那さんに認めさせたと言うか・・・。やはり、日本人の僕には最後の盛り上がりが欲しかったみたいです。

○シルク・・・江口洋介氏が海外初進出となる台湾映画です。『ダブル・ビジョン』で有名なスー・チャオピン監督の新作です。監督は「当初から驚いてもらおうという意図で製作していないので、ホラー映画ではなく、サスペンスとして観て欲しい」と言っていましたが、これはホラー映画と呼ぶのだろうなぁ・・・。

電磁波を立方体に閉じ込める装置を開発した日本人物理学者が、台湾のアパートに少年の幽霊を捕獲することに成功し、死後の世界を解き明かそうとします。この博士を江口さんが演じるのですが、糖尿病により片足を失っており、厭世的でどこか影のある男なのです。普段のTVドラマで見せる優しくて、正義感あふれる男性とは対極にあります。先日スペシャル版がTV放映された『アンフェア』の映画版では、やはりそっち系の役どころなのかなぁ、と期待してしまいます。

既に何人かの犠牲者が出ている状況で、このプロジェクトに呼ばれた読唇術に秀でた捜査官が、少年の死因を調査します。彼は昏睡状態の母親を延命装置で生かしていることに後ろめたさも感じていて、好意を寄せる女性にも想いを伝えることを躊躇しています。調査の中で、少年が発する絹のような光る糸にヒントがあることに気付き、奔走します。絶体絶命の時に、ようやく想いを伝えることが出来るのですが・・・。

Q&Aでは、江口さんの海外進出話や台日スタッフの共同作業の苦労話に質問が集中してしまい、「なぜ糸なのか?」という根本的な疑問が解決できなかったのですが、全く違う質問を受けた江口さんが「相手への強い想いとか憎悪が糸になって現れるというアイデアは、企画の段階で聞いていたし」と機転を利かせた回答をしてくれました。悪い役をやっても、あんちゃんはやっぱり良い人でした。「“744”は台湾では“地獄に落ちろ”と言う意味」とかトリビアも披露してくれましたし。

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さて、『シルク』は『アジアの風』部門のクロージングも兼ねており、最優秀アジア映画賞の授賞式が行われました。受賞作品は、パトリック・タム監督『父子』でした。選考会の会議室に入ったら満場一致で決定したそうです。ほとんどが若手の作品の中で、唯一と言っていいベテランの17年振りの新作ですから、力量の差が出たと言うことかもしれません。

何度か書きましたが、この作品は一足先に釜山映画祭で鑑賞しました。その時は英語の字幕でしたが、その内容の素晴らしさは理解できるものでした。個人的にも好きな作品が受賞したということで非常に嬉しかったです。是非とも一般公開してもらいたいものです。

因みに、コンペ部門のグランプリは、フランス映画『OSS 117 カイロ、スパイの巣窟』が受賞されたようですね。記念スクリーニングの準備をしていました。今回はヨーロッパの作品が強いのかなと思っていましたが、スパイ映画のパロディーが持っていくのは少し意外な気もしました。実際には鑑賞していない作品なので、何とも言えませんが。

細かいことを言うと色々あるのですが、全般的に振り返ってみて、今年もスゴク楽しかったです。関係者の皆さん、ありがとうございました。

明日から普通の生活(!?)に戻るのが、少しさみしいですね。

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